虎倉城跡(読み)こくらじようあと

日本歴史地名大系 「虎倉城跡」の解説

虎倉城跡
こくらじようあと

[現在地名]御津町虎倉

虎倉の北部、宇甘うかい川沿いにそびえる急峻な山の頂上(三二七メートル)を中心に築かれた戦国時代の山城備中国境に近く、備前金川かながわと備中松山まつやま(現高梁市)を結ぶ金川往来(加茂往来・松山往来とも)足下に押える戦略的要衝を占め、備前の城跡のなかでも有数の規模をもつ。山頂石垣を築き、長さ三五メートル、幅二五メートルの不整形な台形状の平面をもつ本丸を構え、本丸から東の尾根上に長さ五五メートル、幅一五メートルの細長い大手曲輪を配し、その先に長さ一四メートル、幅一五メートルの方形の二の丸を設ける。二の丸の外側には出曲輪を置き、さらに鞍部を隔てて土壇築成になる三段構えの出丸を配置している。大手は大手曲輪の南側面で、山麓に通じる道が設けられており、大手谷の地名も残る。本丸から西の尾根上には、腰曲輪を置き、一段下って長さ一七メートル、幅二三メートルの三の丸を配し、その先に大型の堀切を設けている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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