虚妄(読み)コモウ

デジタル大辞泉 「虚妄」の意味・読み・例文・類語

こ‐もう〔‐マウ〕【虚妄】

うそ。いつわり。虚偽。きょもう。
「諸仏菩薩ぼさつ誓願はもとより―なし」〈今昔・一七・一七〉
金品をごまかして着服すること。
東雲しののめ茶碗を―せしと言ひ触らし」〈伎・小紋単地〉

きょ‐ぼう〔‐バウ〕【虚妄】

きょもう(虚妄)

きょ‐もう〔‐マウ〕【虚妄】

事実でないこと。うそいつわり。うそ。こもう。きょぼう。「虚妄の説」

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精選版 日本国語大辞典 「虚妄」の意味・読み・例文・類語

きょ‐もう‥マウ【虚妄】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「きょ」は「虚」の漢音、「もう」は「妄」の呉音 )
  2. 根拠も理由もないこと。きょぼう。
    1. [初出の実例]「動静処を得て気に虚妄なきを以て、心これがために妄動放心する事不有也」(出典:山鹿語類(1665)二一)
  3. 事実でないこと。うそ。いつわり。きょぼう。
    1. [初出の実例]「粟食の焦て匂ふや霜の声〈晉子〉 是嘘妄也。〈略〉其短尺を何かたよりか得て、附会して伝書の証に、偽言ものにして正しからぬ事なり」(出典:俳諧・蓼すり古義(1771))
    2. [その他の文献]〔南史‐何遠伝〕
  4. 迷信。迷い。きょぼう。
    1. [初出の実例]「各自各卦の相違あって必ず一卦に帰すべからず。是れ虚妄無益の確証なり」(出典:旧習一新(1875)〈増山守正〉上)

虚妄の補助注記

仏教関係では「こもう」と呉音で読み、また「色葉字類抄」や「節用集」の類も同様であるから、古くは「こもう」と読まれたらしい。→虚妄(こもう)


こ‐もう‥マウ【虚妄】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「こ」「もう」は、それぞれ「虚」「妄」の呉音 )
  2. 真実でないこと。うそ。いつわり。虚偽。そらごと。きょもう。きょぼう。
    1. [初出の実例]「凡虚妄者、非善言善、非悪言悪、欲前人是名虚妄」(出典:法華義疏(7C前)一)
  3. ( ━する ) 他の金品をごまかして自分の物とすること。横領すること。
    1. [初出の実例]「金二百両投出し、サア皆寄って分けて取れ、全くこもうは致さぬぞ」(出典:浄瑠璃・末広十二段(1715頃)二)

きょ‐ぼう‥バウ【虚妄】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「きょ」「ぼう」は「虚」「妄」の漢音 )
  2. きょもう(虚妄)
  3. きょもう(虚妄)
    1. [初出の実例]「数月前より魯西亜(オロシヤ)政府大に兵を調するの巷説(うはさ)あり〈略〉其虚妄(キョボウ)ならざるを見るべし」(出典:新聞雑誌‐一五号・明治四年(1871)一〇月)
  4. きょもう(虚妄)

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普及版 字通 「虚妄」の読み・字形・画数・意味

【虚妄】きよもう(まう)

でたらめ。〔論衡、対作〕世俗の性、奇怪の語を好み、(よろこ)ぶ。

字通「虚」の項目を見る

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