しののめ【東雲】
〘名〙
① 東の空に明るさが、わずかに動く
ころ。転じて、あけがた。
夜明け。
※
古今(905‐914)恋三・六四〇「しののめのわかれををしみ我ぞまづ鳥よりさきになきはじめつる〈

〉」
※
読本・椿説弓張月(1807‐11)
拾遺「東雲
(シノノメ)引渡す
比及(ころおひ)に、まづ斥候
(ものみのつわもの)を以
(もて)、敵のやうを窺
(うかがは)し給ふに」
③ (━する) 明け方の光を受けること。暁光を受けていろどられること。
※
舞姫(1906)〈
与謝野晶子〉「
保津川の水に沿
(そ)ふなる女松山
(めまつやま)幹むらさきに東明
(シノノメ)するも」
④ (「篠目」「
凌晨」とも) 香木の名。分類は新伽羅
(きゃら)。香味は苦辛鹹。六十一種名香の一つ。焚き出しは静かで次第に匂いが強くなるさまが①のようであるところからの名。
[語誌](1)「能因歌枕」に「暁をば、たまをしけ、あけぼの、しののめと云」とある。中古以降、主として
和歌の中で、「しののめの別れ」「しののめの道」のように
相愛の男女の別れを詠むのに用いられた。夜明け直前の
時分を指し、「あけぼの」よりもやや暗いころと考えられる。
(2)「
万葉集」に、「小竹之眼」「細竹目」と表記されて「偲ぶ」「人には忍び」にかかる、語義未詳の「しののめ」が見られる(次項参照)。これを、
篠竹を簾状に編んだものと考え、この
編目が明かり取りの用をなしたところから、夜明けの意に転じたと見る説がある。
とう‐うん【東雲】
〘名〙
② 明け方。あけぼの。しののめ。〔漢語便覧(1871)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「東雲」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
東雲
しののめ
東京都江東区南部,東京湾の埋立て地。辰巳運河,東雲運河などで囲まれ,鉄鋼関係の大工場が立地している。首都高速湾岸線が通る。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報
普及版 字通
「東雲」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報