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血管内皮細胞 ケッカンナイヒサイボウ

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デジタル大辞泉の解説

けっかんないひ‐さいぼう〔ケツクワンナイヒサイバウ〕【血管内皮細胞】

血管の内側を覆う細胞。血小板の粘着・凝集の抑制、血管の収縮・拡張を調整する物質の放出など、血管を保護するさまざまな機能を担っている。

出典|小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

血管内皮細胞
けっかんないひさいぼう
endothelial cells

血管内腔(ないくう)の表面を覆う内皮を構成する扁平(へんぺい)な細胞。リンパ管内腔にも存在し、単に内皮細胞ともよばれる。略称EC。血液やリンパ液成分を保持するとともに、血管内の血液と周囲の組織との間での細胞移動や、栄養素や老廃物、酸素や二酸化炭素などの物質交換を担っており、物質透過は一般臓器の有窓毛細血管にみられる細胞のすき間(小孔)などを通して行われる。ほかに脳の血液脳関門のように、細胞どうしが密接に結合(タイト結合)する特殊な内皮構造をもち、バリア機能を果たす血管内皮細胞もある。
 また、エンドセリン(ET)のほか、一酸化窒素(NO)やプロスタグランジンI2(PGI2)およびプラスミノゲンアクチベーター(t-PA)など、さまざまな血管作動性物質(因子)を産生し、それらが血管平滑筋の収縮や弛緩(しかん)をコントロールするほか、血管内での血液凝固を阻止するとともに、血栓形成を抑制するように働いている。このうち、ETのペプチドの一つであるET-1は強力な平滑筋の収縮作用をもつ。また、血管拡張作用や血小板凝集抑制作用をもつNOとPGI2は、相互に作用して血小板凝集を抑えて血液凝固を抑制するように働く。さらに、t-PAは、プラスミンを活性化してフィブリン線維(血栓)溶解(線溶)を促進し、血管内での血栓形成を阻止する役割を果たしている。
 こうした血管内皮機能は、糖尿病や高血圧およびメタボリックシンドロームなどの生活習慣病が原因で機能低下をきたすことが多く、その結果として動脈硬化を引き起こし、改善されないまま経過すれば重篤な疾患を誘発する。しかし、機能低下に対して早期に対処できれば動脈硬化を予防できる。
 また、血管内皮細胞が強い障害を受けると内膜からはがれ落ち、はがれた部位に血小板が凝集して血栓が形成される。さらに、酸化した低密度リポタンパク質(酸化LDL)なども血管内皮細胞からのNO産生を低下させ、結果としてNOによる血小板凝集の抑制作用が弱くなり、血栓が形成されやすくなる。同時にt-PAの産生も低下し、線溶が阻害されて血栓が溶解されないまま残る結果となる。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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