デジタル大辞泉 「衷」の意味・読み・例文・類語 ちゅう【衷】[漢字項目] [常用漢字] [音]チュウ(呉)(漢)1 心の中。まごころ。「衷心/苦衷・微衷・和衷」2 なかほど。偏らないこと。「折衷」[名のり]あつ・ただ・ただし・よし 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「衷」の意味・読み・例文・類語 ちゅう【衷】 〘 名詞 〙① まん中。かたよらないこと。[初出の実例]「欧羅巴本州の諸国にて文明に赴きしは新に国法を造たるに非らず唯羅馬の古法と封建の制度とを参合して其衷を折したるものなり」(出典:西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉外)[その他の文献]〔春秋左伝‐襄公一八年〕② 心のうち。心中。また、まごころ。〔荀子‐成相〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
普及版 字通 「衷」の読み・字形・画数・意味 衷常用漢字 10画 [字音] チュウ[字訓] うち・こころ・まこと・ただしい[説文解字] [金文] [字形] 形声声符は中(ちゆう)。〔説文〕八上に「裏(うち)の(せつふく)なり」とあり、衣裳の下に着こんだ肌着をいう。〔左伝、襄二十七年〕「甲を衷(うち)にす」とは、鎧を下に着こんで、かくすことをいう。内にあって外にあらわれないもの、それで衷情・衷心・衷誠のように、心に関して用いる。折衷とは折中の意である。[訓義]1. うち、なか、ころものした、はだぎ、したぎ。2. こころ、まごころ、まこと。3. 中と通じ、ただしい、よい、ほどよい。[古辞書の訓]〔字鏡〕衷 イタム・ココロ・フトコロ・カナ・ヨシ 〔字鏡集〕衷 アタル・ヨシ・ココロ・カサス・オホフ・マサシ[語系]衷・中tium、仲diumは声義近く、通用の例がある。督・tukも声義の関係のある語で、督は身体の中央にある督脈、(とく)は衣の中縫。みな中央・内部の意があり、一系の語である。[熟語]衷衣▶・衷懐▶・衷款▶・衷曲▶・衷甲▶・衷情▶・衷心▶・衷忱▶・衷誠▶・衷腸▶[下接語]虚衷・苦衷・愚衷・私衷・宸衷・清衷・聖衷・折衷・天衷・微衷・和衷 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報