袋田滝(読み)ふくろだのたき

日本歴史地名大系 「袋田滝」の解説

袋田滝
ふくろだのたき

[現在地名]大子町袋田

たき川を久慈川の合流点からさかのぼること約三・五キロにある。上流生瀬なませ盆地から流出する大野おおの川・高瀬たかせ川・水根みずね川などを集めた滝川が生瀬滝となり、さらに一五〇メートルほどの緩流を経て、幅四〇―五〇メートル、比高約一〇〇メートルを四段に落下する袋田滝となる。軟弱地層が浸食されて、落差の大きい滝を形成したという。

別名四度よどの滝とよび、西行がこの滝は春夏秋冬四季に一度ずつ訪れないと真の趣が味わえないといったと伝え、また滝の奥院で弘法大師が四度護摩修行をしたことに由来するともいうが、単に四段になって落下するので四度の滝と称するとの説もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「袋田滝」の意味・わかりやすい解説

袋田滝 (ふくろだのたき)

茨城県北端,久慈郡大子(だいご)町袋田にあり,久慈川支流滝川にかかる滝。高さ121m。4段に落ちる壮大な景観特色で,四度滝(よどのたき)ともいう。上流に生瀬(なませ)盆地,生瀬滝があり,生瀬富士,月居(つきおれ)山を構成する集塊岩層を先行的に切って成立した。水量が多く,新緑紅葉の美しさで知られるが,特に厳冬期の全面結氷はみごとで,四季型の観光地となっている。江戸時代から景勝を知られ多くの文人が訪れたが,昭和初期の袋田温泉の開設,JR水郡線の開業によって観光客が増加し,観光施設も整った。観瀑用有料歩道がある。
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