ウマのひづめを保護し、堅い路面との接触によってひづめが磨滅するのを防ぐために、蹄鉄を装着することをいう。装蹄法には蹄鉄そのものをつくる造蹄と、ひづめを削って形を修正する削蹄が含まれる。装蹄には、ウマの肢端の構造と歩様に対する正確な基礎知識をもち、しかもひづめの個体差(くせ)を理解したうえで適切な削蹄、造蹄、装蹄をするという高度な技術をもつことが必要である。このため、通常これらの技術と知識を修得した装蹄師によって行われる。ウマの第3指(趾(し))のつまさきにある末節骨(蹄骨)は、ひづめの角質層ですっぽりと包まれている。この角質層のつまさきの部分は、厚さが10ミリメートルもあり、蹄側からかかとに向かって薄くなっているが、角質層は人間の爪(つめ)と同じように無知覚層であるから、蹄鉄をこの部分へ釘(くぎ)で留めることができる。蹄壁の長さは1か月に約10ミリメートル成長するので、25~30日に一度は蹄鉄を外し、蹄壁と蹄底を削り取り、ゆがんだひづめの形を修正し、改めて装蹄をしないと、ひづめが変形し、歩き方まで崩れることがある。蹄鉄はいわゆる馬蹄形をした鋼(錬鉄)、アルミニウム、ジュラルミン製のもので、後二者が競走馬用で、現在はほとんどジュラルミン製のものが使用されている。削蹄後、ひづめが焦げる程度に熱した蹄鉄を蹄底面に一度当て、底面が平坦(へいたん)になっているかを確かめる(焼付け)。ついで蹄鉄を仮装着し、適合度を調べ、形と長さを決めたのち、造蹄を完了し、釘で本装着する。
[西田恂子]
ウマのひづめに蹄鉄を装着すること。よく使役するウマはひづめの磨滅が成長を上回るのでひづめの磨滅を防ぐために蹄鉄をつける。またこの装蹄にはひづめの形の不良なものを改善し,四肢の立ち方や歩様を正しくする効果もあり,これによって肢蹄の病気をなおすこともある。装蹄を実施するにあたっては,まずウマの駆立ち・運動中の肢蹄の状態を検査して方針を定め,次いでひづめの伸び過ぎた部分を削蹄して形を整え,最後にひづめの形に適合するように修正した蹄鉄をひづめに焼きつけたのち,5~6本の蹄釘(ていちよう)で釘づけして終わる。装蹄の実務は装蹄師法によって国家試験に合格し農林水産大臣の認定を受けて登録された装蹄師が行う。
執筆者:正田 陽一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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