製品安全協会(読み)セイヒンアンゼンキョウカイ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「製品安全協会」の意味・わかりやすい解説

製品安全協会
せいひんあんぜんきょうかい

消費者が日常的に使う製品の安全を確保するため、安全基準を満たした製品にSG(Safe Goods、安全な製品)マークをつけることを認める一般財団法人。英語名はConsumer Product Safety Associationで、略称CPSA。生命や身体に危険を及ぼすおそれのある製品の安全基準をつくり、基準に合格した製品にのみSGマークを交付している。2015年(平成27)4月時点で乳幼児用ベッド、だっこ紐(ひも)、手動車椅子(いす)、湯たんぽ金属バット、家庭用圧力鍋・釜(かま)、ゴルフクラブなど約120の製品の安全基準があり、約2000の商品のSGマーク表示を認めている。SGマークつき製品の欠陥人身事故が起きた場合、被害者一人当り最高1億円まで賠償する被害者救済制度の認定業務なども担当する。また、SGマークつき製品に不具合や欠陥が生じた場合、広く一般にリコール情報を提供する。

 消費生活用製品安全法の公布に基づき、1973年(昭和48)にSGマーク表示事務を担当する特別認可法人として発足した。2000年に公益を目的とする財団法人にかわり、2012年に一般財団法人となった。所在地は東京都台東区。

 SGマークをつけるには、長期間基準をクリアし続ける製品の製造能力があるかどうかを審査する「工場等登録・型式確認」か、委託検査機関が行う抜取り検査で安全性を確認する「ロット認証」のいずれかで、基準に合格しなければならない。さらに、合格後も1~5年おきに更新の検査を受ける。賠償業務では、メーカーからのSGマーク交付手数料を基に、損害保険会社と生産物賠償責任保険を一括契約し、メーカーにかわって保険金を支払う役割を担っている。このほか製品事故や故障に関する紛争解決の斡旋(あっせん)・調停や、欠陥・品質に関する苦情・相談に応じている。また世界貿易機関(WTO)の貿易の技術的障害に関する協定TBT協定)に参加し、SGマーク制度の海外規定との整合を図っている。製品の安全性に関する試験・検査や調査・研究も実施し、事故や安全性に関する内外の情報を収集、SGマーク制度のPR、事故防止など安全に関する啓蒙(けいもう)・広報活動も行っている。

[編集部 2016年2月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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