製造物責任法(読み)セイゾウブツセキニンホウ

デジタル大辞泉 「製造物責任法」の意味・読み・例文・類語

せいぞうぶつせきにん‐ほう〔セイザウブツセキニンハフ〕【製造物責任法】

製造物責任について定め、被害者の保護を図るための法律。平成6年(1994)成立。同7年7月から施行。PL法

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共同通信ニュース用語解説 「製造物責任法」の解説

製造物責任(PL)法

欠陥商品による消費者被害救済を求める声の高まりを受け、1994年6月に成立、95年7月に施行された。通常あるべき安全性を欠いた製品原因となった健康被害や、所有物への損害について、製造・輸入業者賠償責任を負う。消費者が賠償を求める場合、民法では業者の過失を立証しなければならなかったが、PL法では欠陥があったことを証明するだけでよい。

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精選版 日本国語大辞典 「製造物責任法」の意味・読み・例文・類語

せいぞうぶつせきにん‐ほうセイザウハフ【製造物責任法】

  1. 〘 名詞 〙 製造物責任について定め、被害者の保護を図るための法律。平成六年(一九九四)成立、同七年七月から施行。PL法。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「製造物責任法」の意味・わかりやすい解説

製造物責任法
せいぞうぶつせきにんほう

製造物の欠陥により人の生命身体または財産に被害が生じた場合に、製造業者等が被害者に対して負う損害賠償責任について定めた民事特別法。全6条からなる。平成6年法律第85号。1994年(平成6)7月公布で、1995年7月1日施行。製造物責任をPL(product liability)と略称することからPL法ともいう。PL制度は、食料品、医薬品、工業製品をおもな対象として、製品関連事故の被害者を救済するために、損害賠償責任要件のうち製造業者等の「過失」を製品の「欠陥」に変更するという考え方を基本とする。その立法化の国際的趨勢(すうせい)を背景に、日本では、長年の議論のすえ、EC指令(1985年にEC=ヨーロッパ共同体において採択された製造物責任に関する指令)の内容を基本的に踏襲しつつ縮小したPL法が制定された。日本のPL法では、消費者被害のみならず事業者被害に関しても保護が及ぶが、欠陥不動産については住宅品質確保促進法により瑕疵(かし)担保責任についての定めがあるため被害は救済されない。製造業者等は、製品を流通においた時点における科学技術知識の水準では欠陥を発見できなかったということを証明すれば免責される(開発危険の抗弁)。また、欠陥の存在や欠陥と被害との因果関係を推定する規定は設けられなかった。PL法の制定に伴い、事故原因究明機関やADR(裁判外紛争解決手続)機関などが設置された。

[福原紀彦・武田典浩]

『内田貴著『民法Ⅱ 債権各論』第3版(2011・東京大学出版会)』『潮見佳男著『法律学の森 不法行為法Ⅱ』第2版(2011・信山社出版)』『日本弁護士連合会編『消費者法講義』第4版(2013・日本評論社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「製造物責任法」の意味・わかりやすい解説

製造物責任法
せいぞうぶつせきにんほう

平成6年法律 85号。 1995年7月1日施行。製造物の欠陥から生命,身体,財産に被害を受けた場合,製造業者等に無過失責任を含め損害賠償責任を負わせた法律。被害者の保護をはかり,国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。 product liability (製造物責任) の頭文字をとって PL法と呼ばれることが多い。ここでいう製造物とは,食料品,医薬品,工業製品など製造・加工された動産をいい,第1次製品や不動産,サービスは含まれない。従来の制度では製造物・商品の欠陥から被害が生じた場合でも,製造業者等の過失が立証されなければ損害賠償はなされなかったが,製造物責任法により欠陥が発見されれば損害賠償を受けることができるようになった。ただし製品を市場に流通させた段階における科学技術知識の水準で,欠陥が予測できなかったことが証明された場合は製造業者等の責任は免責される。損害賠償の対象期間は商品の販売から 10年となっている。

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知恵蔵 「製造物責任法」の解説

製造物責任法

1995年7月施行。製造物の欠陥により、人の生命、身体または財産にかかわる被害が生じた場合、その製造業者などが損害賠償の責任を負うと定めた法律。

(篠崎悦子 ホームエコノミスト / 2008年)

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「製造物責任法」の解説

製造物責任法

「PL法」のページをご覧ください。

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