西遊雑記(読み)さいゆうざつき

日本歴史地名大系 「西遊雑記」の解説

西遊雑記
さいゆうざつき

古川古松軒

成立 天明四年

解説 古松軒は備中岡田藩の人、薬種商で旅行家、天明三年三月郷里を発って下関に至り、南下して日向から鹿児島藩領、そこから北上して肥後に入り、筑後から肥前佐賀・長崎・天草有田を経て下関に至る半年間の九州一周の旅をし、各地の社会経済を比較考察した。

活字本 近世社会経済叢書九・日本庶民生活史料集成二


西遊雑記
さいゆうざつき

七巻 古河古松軒著

成立 天明三年

写本 内閣文庫

解説 中国・九州を旅した際の見聞記。

活字本 日本庶民生活史料集成二

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「西遊雑記」の意味・わかりやすい解説

西遊雑記
さいゆうざっき

古川古松軒(ふるかわこしょうけん)が1783年4月30日(天明3年旧暦3月末日)に備中(びっちゅう)国下道(しもみち)郡新本(しんぽん)村(岡山県総社(そうじゃ)市)の自宅を出て山陽道を陸路西へ歩き出し、九州諸国を巡遊して10月6日(旧暦9月11日)帰郷した紀行誌。随所に地図を挿入し、地域社会の特質を独自の観点にたって記述し、農耕具や生産器具の図解もみごとである。当時の西日本の民衆がどんな経済生活を送っていたかを理解するうえで有力な史料。7巻。『近世社会経済叢書(そうしょ)9』『吉備(きび)文庫5』所収。

石山 洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「西遊雑記」の意味・わかりやすい解説

西遊雑記
さいゆうざっき

備中国岡田村の地理考古学者古川古松軒の九州地方見聞記。7巻。天明3 (1783) 年成立。九州各地の当時の社会経済状態を知るうえでの好史料となっている。別に同8年奥州巡歴をしたときの紀行文東遊雑記』がある。『近世社会経済叢書』その他所収。

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