ゴンドラを緩やかに縦回転させる大型遊戯機械。起源はかなり古く,17世紀前半,10個のブランコをつるした二重の輪を人力で回転させるブルガリアの遊びのスケッチが残っており,18世紀初頭には,モスクワのイズマイロフ公園に,農奴が綱で回転させるものがあらわれた。電力が用いられたのは,1893年アメリカのシカゴ万国博覧会に設置された〈フェリス・ホイールFerris wheel〉が最初である。設計者フェリスGeorge W.Gale Ferris(1859-96)にちなんで名付けられたものだが,直径75m,36のゴンドラに2160人の収容能力をもつ大観覧車であった。日本には1907年東京勧業博覧会に初登場し,その後浅草六区に移され常設の最初のものとなった。
執筆者:中藤 保則
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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