託・托(読み)たくする

精選版 日本国語大辞典 「託・托」の意味・読み・例文・類語

たく‐・する【託・托】

〘他サ変〙 たく・す 〘他サ変〙
① 自分にできないことなどを他に頼む。また、人や品物などをすっかり預ける。まかせる。ゆだねる。
太平記(14C後)二四「深託(タクス)尊神霊祇之冥鑑
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉六「誰が大事の息子を託(タク)するもんか」
② 人の手を通して目的の人にことばやものなどを伝えてもらう。品物や手紙などをことづける。神の託宣にもいう。
今昔(1120頃か)一二「尾張の国の熱田明神童子に託して寿広和尚に示して宣はく」
③ 他の物事やことばにかこつける。ことよせる。口実にする。
※足利本論語抄(16C)陽貨第十七「孔子託して云之なり」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三「戯言に託して人の意を測ってみたり」

たく‐・す【託・托】

[1] 〘他サ変〙 ⇒たくする(託)
[2] 〘他サ五(四)〙 =たくする(託)
真空地帯(1952)〈野間宏〉六「その一部は転属者が出発するとき輸送指揮官に本部を通じてたくす必要がある」

たく【託・托】

〘名〙 えらぶって言うこと。ごたく。
洒落本・見通三世相(1796か)中幕三社の詫(タク)をならべる日にやァ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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