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…奈良・平安時代(8~12世紀)の国語において,助詞の〈ぞ〉〈なむ〉〈や〉〈か〉が文中にあるとき,その文の終末部の活用語を連体形で終結し,〈こそ〉があるときは已然(いぜん)形,また,〈は〉〈も〉の場合は終止形で終結する,その助詞と活用形との呼応の関係をいう。鎌倉時代の《手爾波大概抄(てにはたいがいしよう)》や連歌師に注意されていたが,江戸時代に本居宣長が古歌に例を求めてその法則性を立証し,《詞玉緒(ことばのたまのお)》を著した。宣長は〈の〉〈何〉も係りの辞と認めたが,萩原広道が《手爾乎波係辞弁(てにをはかかりことばのべん)》でその誤りを正した。…
…宣長は,多くの実例の調査にもとづいて,係結(かかりむすび)の法則を帰納し,まず,これを1枚の図表で,《てにをは紐鏡(ひもかがみ)》にまとめて,公にした。ついで,《詞玉緒(ことばのたまのお)》を刊行し,《紐鏡》に図式化したところを中心として,いちいちの助詞の用法を,実例で裏づけた。《玉緒》の末書は,数多く著され,それらによって部分的にはいろいろの補訂が加わった。…
※「詞玉緒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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