認識票(読み)ニンシキヒョウ

デジタル大辞泉 「認識票」の意味・読み・例文・類語

にんしき‐ひょう〔‐ヘウ〕【認識票】

軍隊などで、隊員が身につける、名前や所属部隊などを刻んだ金属製の札。戦死した場合の身許確認などに用いる。→ドッグタグ

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精選版 日本国語大辞典 「認識票」の意味・読み・例文・類語

にんしき‐ひょう‥ヘウ【認識票】

  1. 〘 名詞 〙 兵士認識番号を彫った金属票。
    1. [初出の実例]「猶ほ懐中物と認識票等を奪ひ去りたり」(出典:風俗画報‐二九二号(1904)露軍の蛮行)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「認識票」の意味・わかりやすい解説

認識票
にんしきひょう

戦場で死んだ軍人身元がすぐわかるように、各人が身につける、名前その他を刻印してある金属製のプレート。1949年の第一、第二ジュネーブ条約は、戦死者識別のため複式の認識票の一片を、単式の認識票の場合には認識票を死体に残さなければならないと規定している。

 認識票は、第一次世界大戦中に世界各国の軍隊で採用された。アメリカではドッグ・タッグ、ドイツではフンデ・マルケ(いずれも犬の首輪に吊(つ)るす鑑札の意)と俗称された。

 敗戦前の日本軍では陸軍で採用、所属部隊名と識別番号が刻印され、戦地へ動員されるときに着用した。敗戦で認識票はなくなり、自衛隊発足後も「軍隊ではない」などの理由で見送られてきた。その後、陸海空の航空機搭乗員が事故などの際の身元確認のため、飛行中に着用した。1980年(昭和55)以降の演習のなかで必要の声が強まり、86年から陸上自衛隊全員に交付されることになった。

 陸上自衛隊の認識票はステンレススチール製で、横5センチメートル、縦2.8センチメートル、厚さ0.4ミリメートルの小判型、1200℃の熱にも耐えられる。陸曹以上の認識票は国名JAPAN)、隊種(GSDF、Ground Self-Defense Forceの略)のほかローマ字氏名算用数字で認識番号、英語血液型が刻印され、陸士用のものは国名、隊種のほか部隊コード番号、部隊でつける一連番号が刻印されている。それぞれ2枚1組で、チェーンの長いほうは各人が首からぶら下げ、短いほうは部隊が保存する。

[林 茂夫]

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