戦場で死んだ軍人の身元がすぐわかるように、各人が身につける、名前その他を刻印してある金属製のプレート。1949年の第一、第二ジュネーブ条約は、戦死者識別のため複式の認識票の一片を、単式の認識票の場合には認識票を死体に残さなければならないと規定している。
認識票は、第一次世界大戦中に世界各国の軍隊で採用された。アメリカではドッグ・タッグ、ドイツではフンデ・マルケ(いずれも犬の首輪に吊(つ)るす鑑札の意)と俗称された。
敗戦前の日本軍では陸軍で採用、所属部隊名と識別番号が刻印され、戦地へ動員されるときに着用した。敗戦で認識票はなくなり、自衛隊発足後も「軍隊ではない」などの理由で見送られてきた。その後、陸海空の航空機搭乗員が事故などの際の身元確認のため、飛行中に着用した。1980年(昭和55)以降の演習のなかで必要の声が強まり、86年から陸上自衛隊全員に交付されることになった。
陸上自衛隊の認識票はステンレススチール製で、横5センチメートル、縦2.8センチメートル、厚さ0.4ミリメートルの小判型、1200℃の熱にも耐えられる。陸曹以上の認識票は国名(JAPAN)、隊種(GSDF、Ground Self-Defense Forceの略)のほか、ローマ字で氏名、算用数字で認識番号、英語で血液型が刻印され、陸士用のものは国名、隊種のほか部隊コード番号、部隊でつける一連番号が刻印されている。それぞれ2枚1組で、チェーンの長いほうは各人が首からぶら下げ、短いほうは部隊が保存する。
[林 茂夫]
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