音律をあわせるための専用の笛。普通は小さな管の中に金属製(ときとして竹製)の振動体(リード)のついたものをさし、この管の一端を吹いたり吸ったりして基準音高を得る。日本や中国および西洋などで古くから用いられており、音楽や楽器の音律によってさまざまな種類がある。1本の管からなるものや、数本の管を音高順に並べて連結したものがあり、管の多くは上下両端に振動体を備えて異なる2音が出せるようくふうされている。日本では昔は竹製、近代以降は金属製のものが多く、古くから雅楽の律管(りっかん)や箏(そう)調弦用の四穴(しけつ)(一竹(いっちく)とも。指ではじいて鳴らすため狭義の調子笛には入らない)などが使われてきた。日本音楽一般によく用いられるのは、3本または6本を連結した笛で、前者は壱越(いちこつ)・平調(ひょうじょう)・下無(しもむ)・双調(そうじょう)・黄鐘(おうしき)・盤渉(ばんしき)(ニ、ホ、嬰(えい)ヘ、ト、イ、ロに相当)の6音を、後者は1オクターブ内の12音を出す。西洋のものはほぼ金属製で、4本の小管をセットにしたバイオリン調弦用の笛などがよく知られている。
[川口明子]
…補助的に測定器を用いることもある。まずその楽器の音律の基準となる音を音叉または調子笛などによって定めると,同音,オクターブ,完全5度,完全4度,長短3度,長短6度などの協和音程を用いてその響きを判断して順次音階音を整えてゆくのであるが,精度の高い音律を構成することができる。しかし,日本の箏では調弦に不協和な短2度音程も用いるので,このような場合には主観による相違が大きく認められる。…
※「調子笛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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