調度懸(読み)チョウドガケ

デジタル大辞泉 「調度懸」の意味・読み・例文・類語

ちょうど‐がけ〔テウド‐〕【調度懸(け)】

平安時代宮中儀式のときに弓矢を持って供奉した役。
中世武家外出の際に、弓矢を持って供をした役。調度持ち。
江戸時代、弓矢を飾った台。中央作り付けえびらに矢を立て、その左右に弓二張りを立てて置いた。弓矢台

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精選版 日本国語大辞典 「調度懸」の意味・読み・例文・類語

ちょうど‐がけテウド‥【調度懸】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古くは「ぢょうどがけ」とも )
  2. 平安時代、朝廷で儀式の時に弓矢を帯して供奉(ぐぶ)した役。
  3. 武家の職名。主君の外出の際など、その矢を負い、弓を持って供奉する役職弦巻を胸に当て胡籙(やなぐい)を負う。調度持。調度の役。
    1. [初出の実例]「四条坊門大宮辺有闘乱僧、相逓持剣切合、而右衛門尉家季〈左府前駈也〉調度懸男討之」(出典:長秋記‐天永四年(1113)正月三日)
  4. 江戸時代、弓矢を飾り懸(か)けて置いた台。中央の作りつけの箙(えびら)に矢を立て、その左右に弓二張を並び立てて置いたもの。〔随筆貞丈雑記(1784頃)〕
    1. 調度懸<b>③</b>〈武用弁略〉
      調度懸〈武用弁略〉
  5. ちょうずかけ(頂頭懸)
    1. [初出の実例]「調度懸の事、折烏帽子に紙よりの小結に赤皮の烏帽子懸、褐布直垂に赤革のひぼなり」(出典:布衣記(1295頃か))

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世界大百科事典(旧版)内の調度懸の言及

【烏帽子】より

…懸緒は正式には紙縒で,紫の組緒は後鳥羽天皇のときから始められたという。また武士が用いたものを調度懸(ちようどがけ)というが,これは頂頭掛の訛(なまり)だという。なお,このほかに侍烏帽子には小結ができたことは前記のとおりである。…

※「調度懸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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