論奏(読み)ろんそう

精選版 日本国語大辞典 「論奏」の意味・読み・例文・類語

ろん‐そう【論奏】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 事の是非について論じ、意見を奏聞すること。〔新唐書‐劉仁軌伝〕
  3. 令制で、太政官天皇勅裁を仰ぐための上奏の手続きの一つ。また、その文書事柄軽重により、論奏、奏事便奏の三種の手続きがあり、上呈される文書は、おのおの論奏式奏事式便奏式と呼ばれる。論奏は重要事のときの手続きをいう。〔令義解(718)〕

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普及版 字通 「論奏」の読み・字形・画数・意味

【論奏】ろんそう

事を論じて上奏する。〔唐書、劉仁軌伝〕武の初、河南安撫大、上して論奏するり。仁軌其の稾(かう)を見、爲に數言を定(ざんてい)す。異す。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「論奏」の解説

論奏
ろんそう

公式令(くしきりょう)に規定された太政官から天皇へ上奏する文書様式の一つ。国政上の重要事項(養老令では唐の発日勅と奏抄の事項をあわせたもの)について太政官の合議により発議し,原則として大納言が奏上し,天皇の裁可を請うもの。天皇の裁可はみずから「聞」と書くことで示された(実例では奏上者が「奉勅依奏」と記す場合もある)。

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世界大百科事典(旧版)内の論奏の言及

【公式様文書】より

…(1)(a)は詔書,勅旨両式と飛駅下式で,詔書は臨時の大事,勅旨は尋常の小事,飛駅下式は地方有事の際に用いる。(b)は太政官から奏上するもので,事の大・中・小によって論奏・奏事・便奏の3式に分かれている。飛駅下式に対するのが飛駅上式で,地方の異変を急奏する。…

※「論奏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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