貨物利用運送事業法(読み)かもつりよううんそうじぎょうほう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

貨物利用運送事業法
かもつりよううんそうじぎょうほう

貨物利用運送事業を統一して規定する法律。事業の運営を適正かつ合理的なものとして、貨物利用運送事業の健全な発達を図り、多様化した需要に対応した貨物運送サービスの円滑な提供を確保し、利用者の利益の保護およびその利便の増進に寄与することを目的とする。平成1年法律第82号。本法成立当初の名称は貨物運送取扱事業法で、同時に制定されたトラック運送業を規定する貨物自動車運送事業法とともに「物流二法」とよばれた。2003年(平成15)4月の改正法施行により貨物運送取扱事業の規制が廃止され、貨物利用運送事業法に変更された。同年貨物自動車運送事業法の改正法も施行し「改正物流二法」とよばれる。
 おもな内容は次のとおりである。
(1)貨物利用運送事業の種類、事業の許可・登録、運賃・料金の届出、利用運送約款・事業計画および集配事業計画の認可、事業改善命令、事業の譲渡・譲受、相続、事業の休止など貨物利用運送事業に関する事項。
(2)外国人等による国際貨物運送に係る貨物利用運送事業に関する事項。
(3)貨物利用運送事業の健全な発達のためにする施策、貨物利用運送事業に関する団体の届出、報告、罰則に関する事項。
 貨物利用運送事業は、船舶運航事業者、航空運送事業者、鉄道運送事業者、貨物自動車運送事業者などの「実運送事業者」を利用して荷主の貨物を運送するサービスのことである。荷主に対して集荷から荷受人へ配達するまでの一貫運送サービスを行う第二種貨物利用運送事業と第二種以外の第一種貨物利用運送事業がある。従来は船舶運航、航空運送、鉄道運送、貨物自動車運送などにかかわる場合には、それぞれ別々の法律によりばらばらに規定されていたものを、一つの法律として整合性をもたせて統一し、複合輸送をよりスムーズにしようとするものといえる。なお、実運送事業者と荷主との間に介在して行う取次ぎなどの運送取次事業は2003年の改正法施行に伴い廃止された。[天野和治・土居靖範]

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デジタル大辞泉の解説

かもつりよううんそうじぎょう‐ほう〔クワモツリヨウウンソウジゲフハフ〕【貨物利用運送事業法】

貨物利用運送事業の適正かつ合理的な運営と、需要の高度化・多様化に対応した貨物運送サービスの円滑な提供の確保を目的とする法律。「貨物運送取扱事業法」として平成元年(1989)公布。平成14年(2002)改正に伴い改題

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