資金ポジション(読み)シキンポジション

デジタル大辞泉 「資金ポジション」の意味・読み・例文・類語

しきん‐ポジション【資金ポジション】

金融機関資金過不足状況。預金受け入れや債券発行などによる調達資金と、貸し出しや有価証券投資などの運用資金とのバランスをいう。

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改訂新版 世界大百科事典 「資金ポジション」の意味・わかりやすい解説

資金ポジション (しきんポジション)

銀行は顧客から預金を受け入れ,それを他の顧客への貸付けあるいは有価証券投資に運用している。その場合,銀行は顧客の預金引出しにそなえて,預金の一部を現金・日銀預け金として保有し,さらにその他の流動資産に運用している。銀行の資金ポジション残高は,コール・ローン,買入手形,金融機関貸付金,銀行引受手形合計額から,コール・マネー,売渡手形,借用金の合計額を控除した額である(日銀がこの方式で算出している)。この値が正の状態をローン・ポジション,負の状態をマネー・ポジションという。これは,貸出し・証券投資(与信額)と預金・債券発行高(受信額)の差額にほぼ相当し,受信超過のときはローン・ポジション,与信超過オーバーローン)のときはマネー・ポジションとなる。第2次大戦後はほぼ一貫して都市銀行および地方銀行上位行はつねに与信超過,すなわちマネー・ポジションの状態にあるのに対し,その他金融機関(相互銀行,信用金庫等)はローン・ポジションの状態にある。そのためコール・手形売買市場短期金融市場)において,都市銀行はつねに資金の取り手であり,その他金融機関は資金の出し手である。短期金融市場において,こうした資金の一方通行的な流れの状態は資金偏在とよばれている。日本銀行銀行経営の健全性をはかる見地から,たえず銀行の資金ポジションを是正すべく指導している(ポジション指導という)が,とくに金融引締め期には銀行貸出しの過度の増大から資金ポジションが悪化しないように,その動きを注目し指導にあたっている。
窓口規制
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「資金ポジション」の意味・わかりやすい解説

資金ポジション
しきんポジション
bank's reserve position

銀行のコールローン,買入手形,金融機関貸付金,銀行引受手形の合計からコールマネー,売渡手形,借入金 (日本銀行借入れを含む) の合計を控除した金額をいう。銀行の預金と貸出し,有価証券がどのような状態になっているかを示す。預金に比べて貸出し,有価証券の伸びが高い場合は外部負債を取入れなければならないが,このような状態を資金ポジションが悪化したといい,この逆を改善したという。 (→ポジション指導 )

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