日本銀行が用いている金融政策の一つの手段。都市銀行を中心とする主要な民間の銀行・金融機関が民間の企業などに供給する貸出額の過度の増加を防止することを狙いとして,日本銀行がこれら銀行・金融機関の四半期(3ヵ月間)貸出増加額に対し,上限を設定することを通じての信用規制をいう。貸出増加額規制とか窓口指導,貸出増加額規制ともいう。この窓口規制は,第2次大戦直後の1950年代から金融引締政策が行われる都度,日本銀行によって採用されてきたが,73年以降は,マネー・サプライをコントロールするために必要な手段として,金融引締め・緩和のいかんにかかわらず採用されつづけている。金融の専門家の一部は,この窓口規制の結果,個々の銀行・金融機関の貸出増加額に対してほぼ一律に上限が与えられるので,金融機関の間での有効な競争が阻害されること,また民間の銀行・金融機関が民間の資金需要者に対して資金を供給する手段は貸出しに限られないので,たとえ窓口規制が行われたとしても,それらの資金供給が他のルートを通じて増加する可能性があること,などを指摘して,窓口規制に依拠した金融政策に批判的である。日本銀行関係者も,窓口規制が債券売買操作,公定歩合操作等のより正統的な金融政策手段を補完するためのものにすぎないとしている。なお金融政策の一手段として民間の銀行・金融機関の貸出しを直接規制するという方法は,欧米では一般的なものではないが,イギリス,フランス,イタリアなど一部の国で,日本の窓口規制に類似の方法がときおり採用されている。
→金融政策 →資金ポジション
執筆者:堀内 昭義
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