窓口規制(読み)マドグチキセイ

デジタル大辞泉 「窓口規制」の意味・読み・例文・類語

まどぐち‐きせい【窓口規制】

日本銀行取引先金融機関に対し、顧客の貸出増加額を適正と認める範囲内にとどめるよう指導すること。窓口指導

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精選版 日本国語大辞典 「窓口規制」の意味・読み・例文・類語

まどぐち‐きせい【窓口規制】

  1. 〘 名詞 〙 日本銀行が、取引先の金融機関に対して顧客の貸出増加額を、景気動向や資金事情からみて適正と認める範囲内にとどめるよう指導すること。窓口指導。

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改訂新版 世界大百科事典 「窓口規制」の意味・わかりやすい解説

窓口規制 (まどぐちきせい)

日本銀行が用いている金融政策の一つの手段。都市銀行を中心とする主要な民間の銀行・金融機関が民間の企業などに供給する貸出額の過度の増加を防止することを狙いとして,日本銀行がこれら銀行・金融機関の四半期(3ヵ月間)貸出増加額に対し,上限を設定することを通じての信用規制をいう。貸出増加額規制とか窓口指導,貸出増加額規制ともいう。この窓口規制は,第2次大戦直後の1950年代から金融引締政策が行われる都度,日本銀行によって採用されてきたが,73年以降は,マネー・サプライをコントロールするために必要な手段として,金融引締め・緩和のいかんにかかわらず採用されつづけている。金融の専門家の一部は,この窓口規制の結果,個々の銀行・金融機関の貸出増加額に対してほぼ一律に上限が与えられるので,金融機関の間での有効な競争が阻害されること,また民間の銀行・金融機関が民間の資金需要者に対して資金を供給する手段は貸出しに限られないので,たとえ窓口規制が行われたとしても,それらの資金供給が他のルートを通じて増加する可能性があること,などを指摘して,窓口規制に依拠した金融政策に批判的である。日本銀行関係者も,窓口規制が債券売買操作,公定歩合操作等のより正統的な金融政策手段を補完するためのものにすぎないとしている。なお金融政策の一手段として民間の銀行・金融機関の貸出しを直接規制するという方法は,欧米では一般的なものではないが,イギリス,フランスイタリアなど一部の国で,日本の窓口規制に類似の方法がときおり採用されている。
金融政策 →資金ポジション
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「窓口規制」の意味・わかりやすい解説

窓口規制
まどぐちきせい

窓口指導あるいは貸出増加額規制ともいう。日本銀行が取引先金融機関の貸出しを,景気動向などそのときどきの金融情勢に応じて適正な規模にとどめるため,貸出し増加の枠を指示し,それを守らせるように指導すること。公定歩合操作,債券売買操作,預金準備率操作などの正統的な金融政策を補完する手段として 1953年以降都市銀行を対象に実施され,その後対象金融機関が長期信用銀行,信託銀行,地方銀行,大手相互銀行に拡大され,指導方法も改善されてきた。第2次世界大戦後の日本経済においては,しばしば金融引締め政策が発動されたが,その都度,窓口規制は金融引締め手段として重要な意味をもってきた。しかしその目的は銀行信用の総量を調整することにあり,貸出しの使途を質的に規制するものではなく,その点では金融機関の協力を前提とした一種の道義的説得であった。金融の自由化,自主的運営にそって,91年4~6月期をもって廃止された。

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百科事典マイペディア 「窓口規制」の意味・わかりやすい解説

窓口規制【まどぐちきせい】

窓口指導とも。日本銀行が取引先金融機関に対して行う資金繰りその他の指導。貸出査定による貸出増加額規制。1953年から実施,一時廃止されたが1964年から新方式により再開。本来,金利政策や一般的な金融政策を補強する性質のもので,制度的ではなく道義的なものである。
→関連項目金融引締め

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