赤金鉱(読み)あかがねこう(その他表記)akaganeite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「赤金鉱」の意味・わかりやすい解説

赤金鉱
あかがねこう
akaganeite

酸化鉱物。1961年(昭和36)南部松夫(1917―2009)らにより岩手県江刺(えさし)市(現、奥州(おうしゅう)市江刺区)赤金鉱山(閉山)から発見された新鉱物。最初はFeOOHのβ(ベータ)変態(β-FeOOH)とされていたが、現在ではCl(塩素)を主成分とするFe8(OH,O,Cl)17という組成式と単斜晶系(原記載では正方晶系)の結晶系が与えられている。磁硫鉄鉱の風化分解によって生成されたものと考えられる。Clの存在はその後採集された原産地標本、アメリカのミネソタ州ヒビングHibbing鉱山産標本、南極産隕石(いんせき)の分解物からも確認された。また、ある種の土壌や地熱帯中の地下水中、あるいは団塊をなす海底堆積(たいせき)物、紅海深部の塩水中からも確認されたとの報告があるほか、火星表面での存在も確実視されている。命名は原産地にちなむ。

加藤 昭 2015年12月14日]


赤金鉱(データノート)
あかがねこうでーたのーと

赤金鉱
 英名    akaganeite
 化学式   Fe8(OH,O,Cl)17
 少量成分  Ni
 結晶系   単斜
 硬度    未測定
 比重    3.0~3.6
 色     褐橙
 光沢    土状
 条痕    褐橙
 劈開    不明
       (「劈開」の項目を参照

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関連語 松原

最新 地学事典 「赤金鉱」の解説

あかがねこう
赤金鉱

akaganeite

化学組成(Fe3+, Ni2+8(OH, O)16Cl1.25nH2Oの鉱物。原記載ではβ-FeOOHとなっていた。単斜晶系,空間群I2/m,格子定数a1.0561nm, b0.3031, c1.0483, β90.63°,単位格子中1分子含む。微細な結晶の黄褐色土状集合体,電子顕微鏡により結晶は250×25nm程度の大きさであることが判明。この鉱物はX線粉末パターンによって同定できる。岩手県赤金鉱山にゲーサイトなどと産出する。磁硫鉄鉱の変質によってできたと考えられる。また鉄質隕石の酸化変質によってもできる。産地赤金鉱山にちなんで命名。参考文献南部松夫(1968) 岩鉱,Vol. 59: 143

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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