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走性 そうせい taxis

翻訳|taxis

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

走性
そうせい
taxis

生物が外部からの刺激に向って運動を起す性質をいう。刺激の種類により,走化性,走気性,走光性,走触性,走濃性,走水性,走地性,走電性,走熱性,走流性などに分けられる。刺激に向って進む場合を正,刺激と反対方向に進む場合を負と呼ぶ。

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デジタル大辞泉の解説

そう‐せい【走性】

自由に運動できる生物が外界の刺激に対して一定方向に移動または運動する性質。刺激の方に向かう場合を正の走性遠ざかる場合を負の走性といい、刺激の種類により走光性・走化性・走熱性・走流性などに分ける。趨性(すうせい)。タキシス

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百科事典マイペディアの解説

走性【そうせい】

外界からの刺激に対し生物体が示す方向性をもった移動反応。刺激源に向かって進む場合を正の走性,反対方向に進むときを負の走性という。刺激の種類により光に対する走光性,重力に対する走地性,化学物質に対する走化性,温度,湿度に対する温度走性湿度走性などに分けられる。
→関連項目変温動物誘引物質ロイブ

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世界大百科事典 第2版の解説

そうせい【走性 taxis】

生物がある外界刺激に対して,一定の方向をもった運動をする現象。taxisの語源はギリシア語で,〈秩序づける〉,転じて〈定位する〉という意味。例えば,ガその他の虫が光に向かって飛んできたり(光(ひかり)走性または走光性),魚が流れに逆らって泳いだり,トンボやガが風に逆らって飛んだりする(流れ走性,走流性,走風性)現象がそれにあたる。刺激の種類によってこのように光走性,流れ走性と呼ばれるが,このほか,においのある化学物質に対しておこる化学走性(走化性――ハエなど多くの昆虫にみられる),一定の音に対する音響走性(走音性――カなど),重力走性(走地性――カタツムリなど),一定の温度あるいは湿度の場所に集まってくる温度走性,湿度走性(走温性――ゾウリムシなど,走湿性――ミミズなど)など,生物にはさまざまな走性が認められる。

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大辞林 第三版の解説

そうせい【走性】

自由に動くことのできる生物が外界からの刺激に対して行う方向性のある運動。運動が刺激源に向かう場合を正、逆の方向へ向かう場合を負とする。刺激の種類から走光性・走化性・走流性・走触性などに分ける。また、重力・電気・熱などに対する反応もみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

走性
そうせい
taxis

生物が外部からの刺激に反応し、刺激源に対して方向性をもった移動運動を行うことをいう。この移動運動の結果、生物が刺激源に近づく場合を正の走性、遠ざかる場合を負の走性という。また、刺激の種類によって、走化性(化学物質が刺激となる)、走光性(光)、走熱性(温度)、走電性(電流)、走触性(物理的接触)、走地性(重力)、走湿性(湿度)、走流性(水流、気流)などが区別される。[高橋景一]

狭義の走性

走性ということばは、厳密には生物の個体が体軸を刺激源に対し一定の方向に向けて(定位して)移動運動を行う場合に限って用いるべきであるとする考えがある。このような走性は、狭義の走性、または指向走性(トポタキシスtopotaxis)ともよばれ、その定位機構によって次のように分けられる。(1)転向走性(トロポタキシスtropotaxis) 感覚器官、神経系、運動器官が、左右対称に配置された動物にみられる走性で、左右の感覚器官が受ける刺激の強さに差があると、感覚器官と運動器官とを結び付けている神経系の作用によって左右の運動器官の活動に差が生じ、両側の感覚器官が均等な刺激を受けるようになるまで体軸が回転する。左右の感覚器官が受ける刺激が均等になると、体軸の回転は止まり、動物はその方向に直進する。転向走性は、光や重力のようにはっきりとした方向性をもつ刺激に対する反応としてみられるもので、単一の刺激源に対しては直進し、二つまたはそれ以上の刺激源がある場合には、それぞれの強度と方向とを合成した経路に沿って進む。光に対する転向走性を示す動物の片方の目を黒く塗りつぶすなどして機能を失わせ、一様な散光照明の下に置くと、正の転向走性を示すものでは失明した側から遠ざかる方向に、負の転向走性を示すものでは失明した側に向かう方向に、ぐるぐると円を描いて運動し続ける。(2)屈曲走性(クリノタキシスklinotaxis) ハエのウジは、蛹(さなぎ)になる前に、はっきりとした負の走光性を示し、暗い所へ向かって進む。このとき、ウジは前端部を左右に振り、後方からの光が左右の側面に交互に当たるようにする。左右に当たる光の強度が等しければ光源からまっすぐに遠ざかっていく。これは、体軸が傾いていると、片側に当たる光の強度に応じて前端部が反対側に大きく振れることによると考えられている。この場合、左右に体を振ることが前進方向を決定する機構のなかで重要であり、転向走性のような感覚器の対称的配置はかならずしも必要でない。(3)目標走性(テロタキシスtelotaxis) 走光性において、転向走性や屈曲走性のように感覚器官に対する左右の刺激強度のバランスを必要とせず、一方の目だけでも目標に向かって進むものをいう。明暗だけでなく、対象物の像を見ることのできる目(カメラ眼)をもつ動物にみられる。目標走性では、同時に複数の刺激源があっても、転向走性のようにその作用は合成されず、中枢神経系の働きによって、一つの刺激源を除いて他はすべて無視される。
 以上のような狭義の走性は、比較的単純な体制をもつ動物や、単細胞生物において明確に認められるもので、その生物に遺伝的に備わった定型的行動とみなすことができる。[高橋景一]

広義の走性

狭義の走性とは違って、刺激源に対する個体の定位がなくても、刺激源に近づいたり刺激源から遠ざかったりする反応がおこる場合がある。このように、刺激によって、生物の移動運動に体軸の定位を含まない変化が生じる現象はキネシスkinesisとよばれる。広義の走性にはキネシスによるものが多い。
 大腸菌やサルモネラ菌などのバクテリアは、螺旋(らせん)状の鞭毛(べんもう)を回転させて水中を泳ぐ。水中に糖やアミノ酸のような物質があると、その濃度上昇を感じる方向には滑らかに泳ぎ続けるが、泳いでいて濃度下降を感じると、鞭毛運動の一時的な乱れによる方向転換が頻繁におこるようになる。この方向転換自体は無定位的なものであるが、このような反応の結果、バクテリアは糖やアミノ酸の濃度の高い場所にしだいに集まってくる。すなわち、正の走化性を示す。この例のように、刺激によって方向転換の頻度や程度が変化するキネシスをクリノキネシスklinokinesisとよぶ。これに対し、刺激によって方向転換ではなく前進運動の速度に変化が生じるキネシスはオルトキネシスorthokinesisとよばれる。ワラジムシは、乾燥した所では速く、湿った所では遅く前進する。これは湿度によるオルトキネシスの例で、ワラジムシが乾いた場所を避け湿った場所に集まるのを助けている。
 広義の走性は、生物の個体ばかりでなく、多細胞生物の個体を構成する細胞や生殖細胞においても認められ、生物が生きていくうえで重要な意味をもっている。白血球は走化性によって炎症部や体内の異物に集まる。精子には走化性によって卵細胞に到達するものがある。細胞粘菌類に属するタマホコリカビでは、走化性によって多数のアメーバ細胞が集合し偽変形体を形成する過程が詳しく研究されている。高等生物の形態形成にも細胞の走性が重要な役割を果たしていると考えられる。[高橋景一]

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世界大百科事典内の走性の言及

【分類】より

…〈分類〉とは文字どおり,対象を類に従って(似たものをまとめて)分けることであるが,〈類別〉とは違って,全体を共通性に従って大きく分け,分けたものをさらにまた共通性に従って細分し,これ以上分けることのできない個体の一つ手前(種という)まで順次分けていって段階づけ,体系化することをいう。 分類するという営為はおそらく人類の歴史とともに古く,植物や動物にすでに見られるように,自分と同類のもの(とくに異性)とそれ以外のものに分けることが始まりであったと見られる。…

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