蹲る(読み)ウズクマル

デジタル大辞泉 「蹲る」の意味・読み・例文・類語

うずくま・る【×蹲る/×踞る】

[動ラ五(四)]
からだを丸くしてしゃがみ込む。また、獣が足をたたみ込んで腹ばいになる。「物陰に―・る」
しゃがんで礼をする。
「扇をしゃくにとりて、すこしうつぶして、―・り居たり」〈宇治拾遺・一四〉
[補説]歴史的仮名遣いを「うづくまる」とする説もあるが、平安時代文献にその確例はない。
[類語]つくばう屈むこごむしゃがむかがめるこごめるしゃがみ込むへたり込む膝を抱く膝を折る膝を屈める

つくば・る【×蹲る】

[動ラ五(四)]しゃがむ。うずくまる。つくばう。
はらり気早に立って、―・ったおんなの髪を袂で払って」〈鏡花婦系図

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「蹲る」の意味・読み・例文・類語

うずくま・る【蹲・踞】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 体を丸くしてしゃがむ。また、膝を折り立てて腰を落としている。
    1. [初出の実例]「空しき竈戸に向かひ、頬を押へて蹲(ウズクマ)る。〈国会図書館本訓釈 蹲 ウスクマリ〉」(出典:日本霊異記(810‐824)中)
  3. しゃがんで礼をする。
    1. [初出の実例]「扇を笏(しゃく)にとりて、すこしうつぶして、うずくまり居たり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一四)

蹲るの語誌

( 1 )上代に確例はないが「古事記‐下・歌謡」の「うずすまる」と関係があるか。
( 2 )仮名づかいは、平安時代の諸資料から見ても「うずくまる」が正しいが、中世後期から「うづくまる」が目立ちはじめ近世には一般化する。


うず‐すま・る【蹲】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 うずくまって集まる意か。
    1. [初出の実例]「庭雀 宇受須麻理(ウズスマリ)ゐて 今日もかも 酒みづくらし」(出典:古事記(712)下・歌謡)

蹲るの補助注記

「古事記‐下・歌謡」に見える例だけで語義についてははっきりしない。「すまる」は「みすまる(御統)」の「すまる」、「うず」は「うずくまる(蹲)」の「うず」、または「うじむし(蛆虫)」の「うじ」との関係が説かれている。


つくば・る【蹲】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 しゃがむ。うずくまる。つくまる。
    1. [初出の実例]「つくばった噺は土へ何か書」(出典:雑俳・柳多留‐二(1767))

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