身毒(読み)シンドク

デジタル大辞泉 「身毒」の意味・読み・例文・類語

しんどく【身毒/申毒】

《〈梵〉Sindhu音写》漢代以降の中国で、インドを呼ぶ称。

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精選版 日本国語大辞典 「身毒」の意味・読み・例文・類語

しんどく【身毒】

(Sindhu の音訳) 中国で、漢代以来、インドを呼ぶ称。天竺
元亨釈書(1322)二七「有般遮于瑟、此云無遮会、身毒之風俗常設焉」
真善美日本人(1891)〈三宅雪嶺日本人之本質「震旦身毒より遼遠なる域土を知らざる昔の日本人」 〔後漢書西域伝

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「身毒」の意味・わかりやすい解説

身毒
しんどく

古代の中国人がよんだインド地方の名称の一つ。天竺(てんじく)、印度(いんど)などと同じく、語源サンスクリットのシンドゥーSindhu(インダス川地方)であるとされる。文献では『史記(しき)』「大宛(だいえん)列伝」の「大夏の東南に身毒国あり」という記載がもっとも古く前漢武帝(ぶてい)の時代、張騫(ちょうけん)の遠征から得られた知識からこの名が生まれたらしい。以後、唐代にかけては天竺、さらに後代には印度の用語のほうが一般化した。

尾形 勇]

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普及版 字通 「身毒」の読み・字形・画数・意味

【身毒】しんどく

インド。

字通「身」の項目を見る

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旺文社世界史事典 三訂版 「身毒」の解説

身毒
しんどく

古代中国におけるインドの呼称
川や洪水を意味するサンスクリット語のシンドゥーの漢訳。

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世界大百科事典(旧版)内の身毒の言及

【天竺】より

…中国で3世紀以降に多く用いられたインドの呼称。古くは〈身毒(しんどく)〉〈賢豆(けんず)〉〈天篤(てんとく)〉とも呼ばれていた。7世紀の中国僧玄奘はこの〈天竺〉の称が異議糺紛(きゆうふん)であるとして,正音にしたがって〈印度〉というべきことを述べており,唐代以後は主として〈印度〉の名称が用いられた。…

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