「核兵器のない世界」を目指して日本とオーストラリアが主導し、2010年9月に設立された非核保有国で構成する有志国の枠組み。日豪のほかドイツ、カナダ、オランダなど計12カ国が参加。これまでに10回の外相会合を開き、核拡散防止条約(NPT)体制の強化に向けた具体策を提言してきた。19年に名古屋市で開いた前回会合では、核戦力の透明性向上のため核保有国に定期的に報告書の提出を求める声明を発出した。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
現実的で段階的な核軍縮路線をとる国々による国際会議。日本、オーストラリアなど核兵器を保有しない10か国で構成する。略称NPDI。2008年、オーストラリア首相ラッドの提案を日本の内閣総理大臣福田康夫が受け入れ、日本政府とオーストラリア政府主導で2010年(平成22)9月に発足した。日豪のほか、ドイツ、オランダ、ポーランド、トルコ、アラブ首長国連邦、カナダ、チリ、メキシコが参加し、毎年2回外務大臣会合を開いている。現在、世界約190か国が加盟する核不拡散条約(NPT)体制はアメリカ、ロシア、イギリス、中国、フランスの5か国だけを核兵器国と認め、それ以外の国への核不拡散と核兵器国の軍縮を義務づけているが、核兵器国とそれ以外の国々との対立が激しく、インド、パキスタンなどへ核保有が広がるなど実効性はあがっていない。NPDIは核兵器国と核廃絶を求める非同盟諸国会議などとの調整役となり、まず「核リスクの低い世界」の実現を目ざしている。具体的には包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効、非戦略核の削減、中東非大量破壊兵器地帯の創設など現実的な提案をしている。また核実験を続ける北朝鮮を非難し、核開発疑惑のあるイランに速やかな査察受け入れを要求している。しかし、唯一の被爆国として核廃絶を求める日本がアメリカの核の傘の下にあるように、NPDI参加国のうち半数以上がアメリカの核の傘に依存しているというジレンマも抱えている。
[編集部]
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