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輸出自主規制 ゆしゅつじしゅきせいvoluntary export restriction; VER

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

輸出自主規制
ゆしゅつじしゅきせい
voluntary export restriction; VER

輸入国の諸事情を配慮して輸出国が輸出数量や価格などを自主的に制限すること。日本では輸出入取引法に基づいて繊維,カラーテレビ,自動車などの品目で実施された。自主規制の問題点としては,実質的効果は輸入国の輸入制限と同じであるにもかかわらずガット抜け穴として多用される傾向にあり,管理貿易保護主義の台頭を助長していることなどが指摘されている。

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知恵蔵の解説

輸出自主規制

輸入国側の輸入制限措置の発動を回避するため、輸出国側の政府または団体が、「自主的」に輸出数量、価格などを制限すること。ガット第19条(セーフガード条項)では市場攪乱に対する一時的な輸入制限措置の発動を認めているが、輸出国側に対抗措置を認めていることもあり、輸入国側もその発動を嫌って輸出国側に自主規制を要請してくる場合が多い。日本の輸出自主規制は、輸出入取引法に基づく規制のほか、輸出貿易管理令などを前提とした行政指導で行う場合もあり、繊維、カラーテレビ、鉄鋼、工作機械、自動車といった事例がある。輸出自主規制は、長く続くと産業の自由な競争を妨げるなど、必ずしも輸入国側の産業再生に役立っていないという批判もある。なお、WTOでは、輸出自主規制等の灰色措置が禁止された。

(永田雅啓 埼玉大学教授 / 松尾寛 (株)三井物産戦略研究所副所長 / 2007年)

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百科事典マイペディアの解説

輸出自主規制【ゆしゅつじしゅきせい】

輸出国が,一般には輸入国の要求に応じて輸出量を自主的に規制すること。特に日本はアメリカ向けに繊維・鉄鋼・カラーテレビ・自動車などで輸出自主規制を行ってきた。これはアメリカ国内の独占禁止法のために,アメリカの輸入自主規制を行うのが困難だからである。
→関連項目セーフガード

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆしゅつじしゅきせい【輸出自主規制 voluntary export restraints】

輸入の急増が市場攪乱をおこしたとしてA国が輸出相手国B国に対して秩序ある輸出を求め,B国がこれを認めて輸出を自主的に規制することをいう。実質的には輸出国に責任をとらせたかたちの輸入阻害措置である。 1970年代に入り,貿易摩擦回避の手段として,日米間で繊維(1971。〈日米繊維交渉〉の項参照),鉄鋼(1972),カラーテレビ(1977),自動車(1981)とあいついで規制措置がとられた。このような自主規制措置(OMA(輸出秩序維持協定)も含む)の多発は70年代に貿易摩擦が深刻化したためでもあるが,現在のGATT(ガツト)規約による緊急輸入制限条項が発動しにくいことにも原因がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

輸出自主規制
ゆしゅつじしゅきせい
voluntary export restriction

相手国側の輸入制限を回避するための一時的な措置として、輸出国側が自主的に輸出数量や価格などの規制を行うこと。特定商品の輸入急増による国内産業の損害に対抗する手段として、世界貿易機関(WTO)において、ガット第19条のセーフガード条項と、WTOのセーフガード協定による緊急輸入制限措置がある。しかし、この発動には関係国との協議の成立が必要であり、運用はWTOの無差別原則に従って、特定国のみでなくすべての加盟国からの輸入品に適用しなければならない。そのため、WTOの枠外で、輸入国は特定商品の輸出国に対してなかば強制的に輸出自主規制を求めてくることが多くなった。
 輸出自主規制は、日本の輸出力増大に伴って発生したものであり、1970年代以降、日本からアメリカ向けの繊維製品、鉄鋼、カラーテレビ、自動車、工作機械、さらにEC(ヨーロッパ共同体。現EU=ヨーロッパ連合)向けの鉄鋼やVTR(ビデオテープレコーダー)などに相次いで規制措置がとられた。その後対象国もしだいに拡大され、アメリカ対EC(EU)、日本・アメリカ・EC(EU)対NIES(新興工業経済地域)などに及んでいる。わが国の輸出自主規制の方法には、輸出入取引法による輸出カルテル、政府間交渉による市場秩序維持協定(OMA)、政府の行政指導などがある。[田中喜助]

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