デジタル大辞泉 「輾転反側」の意味・読み・例文・類語 てんてん‐はんそく【×輾転反側】 [名](スル)悩みや心配のため眠れず、なんども寝返りを打つこと。「輾転反側して一夜を明かす」 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「輾転反側」の意味・読み・例文・類語 てんてん‐はんそく【輾転反側・展転反側】 〘 名詞 〙 幾度となく寝返りをうつこと。思い悩んで眠られないさま、人を思い慕って眠れないさまにいう。[初出の実例]「弟子等謹因二厳教一、不レ離二胸心一、悠哉悠哉、展転反側」(出典:菅家文草(900頃)一一・為大枝豊岑・真岑等先妣周忌法会願文)[その他の文献]〔詩経‐周南・関雎〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
四字熟語を知る辞典 「輾転反側」の解説 輾転反側 幾度となく寝返りをうつこと。思い悩んで眠れない様子、人を思って眠れない様子などにいう。 [活用] ―する。 [使用例] 乗組員たちも、さすがに感情をたかぶらせているのか、横になっても寝つかれずに輾転反側する者が多かった[吉村昭*戦艦武蔵|1966] [使用例] 輾転反側しながら遂ついには起き上がり、机の前に腰をかけ、考え込んでいる慧けい太たの耳に、チ、チ、チと小鳥の囀さえずる声が聞こえてくる[江川晴*麻酔科医|2011] [使用例] 狭いベッドで輾転反側しているうちに、なぜか自分の目でハッキリと見たように、夜の底で燃え上がる一軒家が繰り返し頭に浮かんできました[森見登美彦*夜行|2016] [解説] 「輾」「転」は、どちらもころがること。また、「反」「側」は向きを変えることです。心配があって寝つかれず、寝床でごろごろ転がって向きを変えてみる、という状態です。 「反側」は「反則」と書かないように注意するとして、紛らわしいのは「輾転」の部分です。「輾転」か「転輾」か、ともすると曖あい昧まいになります。中国語でも「輾」「転」の発音はよく似ています。 実は「転輾反側」の例もあり、どちらを書いても差し支えありません。ただ、古くはやはり「輾転反側」でした。 中国最古の古典のひとつ「詩経」の冒頭に「関かん雎しょ」という詩があります。「鳥のミサゴのつがいが、中州で鳴き交わしているよ」という文句で始まる恋の詩です。そこに、少女を思う男が、夜の寝床で「輾転反側す」という描写があります。「輾」の字が先に来ています。 一方、「転」が先に来る「転輾反側」の実例は、明みん代・清しん代といった新しい時代まで出てきません。「輾転反側」のほうが由緒があるのは確かです。 出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報