日本大百科全書(ニッポニカ) 「轟石」の意味・わかりやすい解説
轟石
とどろきいし
todorokite
1934年(昭和9)吉村豊文(とよふみ)(1905―1990)によって北海道余市(よいち)郡赤井川村の轟鉱山(閉山)から報告された鉱物。深海底堆積(たいせき)物としてみいだされるマンガン団塊(マンガンノジュール)の主成分をなすほか、浅熱(せんねつ)水性鉱床中に産し、またある種のマンガン鉱物の酸化分解によって生成される二次鉱物としても産する。多く土状または繊維状物質の仮晶として産する。メキシコのサカトランZacatlán地方で発見されたものは自然銀および緑マンガン鉱の極微粒を含有する。原産地以外の産出としては、静岡県松崎町池代(いけしろ)鉱山(閉山)、長野県辰野(たつの)町浜横川(はまよこかわ)鉱山(閉山)などが知られている。命名は原産地にちなむ。
[加藤 昭 2017年12月12日]