返照(読み)ヘンショウ

デジタル大辞泉 「返照」の意味・読み・例文・類語

へん‐しょう〔‐セウ〕【返照】

[名](スル)
光が照りかえすこと。照り返し。「まぶしい砂の返照
夕日の光。夕映え
《「反照」とも書く》仏語。真実の自己に照らして内省すること。
「其意味を―するいとまがなかった」〈漱石明暗
[類語]反照照り返し日照烈日反射照り返す乱反射反映

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精選版 日本国語大辞典 「返照」の意味・読み・例文・類語

へん‐しょう‥セウ【返照】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 光が照りかえすこと。特に、沈む夕日の照り返し。比喩的にも用いる。夕ばえ夕照(せきしょう)
    1. [初出の実例]「斜陽返照射青巒、路遶崎嶇往又還」(出典:若木集(1377頃)回峰)
    2. 「海水は太陽の熱を返照して、これを得ること、遅きゆゑに、亦これを失ふことも遅し」(出典:小学読本(1873)〈田中義廉〉四)
    3. [その他の文献]〔杜甫‐返照詩〕
  3. ( 「反照」とも書く ) 仏語。
    1. (イ) 自分の心の鏡に照らして内省すること。また、昔の例に照らして考えること。
      1. [初出の実例]「其意味を返照(ヘンセウ)する遑(いとま)がなかった」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉一四一)
      2. [その他の文献]〔摩訶止観‐二・上〕
    2. (ロ) 禅宗で、自己の智慧の光をめぐらし、自己を反省して、真実の自己に接すること。〔臨済録

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普及版 字通 「返照」の読み・字形・画数・意味

【返照】へんしよう(せう)

反射。夕日。唐・孟浩然終南の翠微寺の空上人の房に題す〕詩 南の裏(うち) 雨後、照宜し 閉關、久しく沈冥 策を杖(つゑつ)いて、一たび登眺す

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