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送信機 ソウシンキ

百科事典マイペディアの解説

送信機【そうしんき】

無線送信機をいう。放送・無線通信等のため,高周波電波を発生,これに情報信号を重ねて変調した後アンテナから発射する装置。高周波電波の周波数は正確・安定を要するため水晶発振器周波数逓倍法が使用される。
→関連項目受信機トランシーバー

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大辞林 第三版の解説

そうしんき【送信機】

無線通信・放送などで、信号を高周波の搬送波にのせて、送信アンテナに送り出す装置。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

送信機
そうしんき
transmitter

信号を伝送する媒体となるエネルギーを発生させ、伝送すべき信号の変化に対応してその強度、色調、周波数、位相角、形状などを変化させ、これを必要なエネルギーのレベルまで増力して、伝送路に送り出す装置。古くはセマホールsemaphoreとよばれる腕木(うでぎ)通信の機械的な送信機、灯火信号による送信機に始まって、電波や光によって放送や通信を行う送信機にまで発達してきた。船舶や港湾などの設備として灯火信号は、いまも欠かすことができないものである。[石島 巖]

電波送信機

一般には電気通信において、信号そのもの、または、信号をのせた電波を送出する装置をいい、電信、電話、テレタイプ、コンピュータ、ファクシミリ、ラジオ、テレビジョンなど、伝送すべき信号により搬送波を変調して送出する。送信機は主発振器、周波数逓倍(ていばい)器、変調器、電力増幅器などの回路で構成される。変調器には、送信する電波の型式により、大略、振幅変調、周波数変調、位相変調の3種類があり、発振器には水晶発振器のほか、1970年代に1個の正確な発振素子から同じ精度のたくさんの周波数を発生させるシンセサイザー(周波数合成器)が発明され、多数の周波数を発射する送信機に使用されている。2000年(平成12)ごろから、送信機にはほとんどIC(集積回路)やFET(電界効果トランジスタ)のような半導体能動素子が採用され、小型化が進んでいるが、放送機のような100キロワットを超える大型送信機の電力増幅器には、2011年時点でも蒸発水冷型の大型真空管が使用されている。
 送信機は無線局の業務の種別や電波の型式、周波数などによって、発射する電波の、割当て周波数からの偏差(誤差)の許容値、電波の占有する周波数帯幅の限度、必要な周波数帯幅を超えて発射される不要な電波(不要輻射(ふくしゃ))の強さの限度、という電波の質についての3項目が電波法、電波法施行規則、無線設備規則に厳密に規定されている。したがって、送信機は無線局の免許(総務大臣による免許)を受け、検査に合格した後に、資格をもった無線従事者が運用するのが原則である(その無線局に専任されている主任無線従事者の監督を受ける場合には無資格で操作することができる)。
 一方、発射電波の強度が微弱な電波として無線局の免許を受けないでよい条件も定められている。たとえば周波数322メガヘルツ以下の電波では、電界強度が送信アンテナから3メートルの距離で測定したとき毎メートル500マイクロボルト以下となること、また、特定の周波数で技術基準適合証明を受けている装置を使用してロボットや模型飛行機の操縦を行う場合には、送信アンテナから500メートルの距離における電界強度が毎メートル200マイクロボルト以下とすることである。また、PHS等の携帯電話の送信に免許を必要としないのは、周波数1.8ギガヘルツ帯の一部に送信出力を0.01ワット以下にするという条件で、技術基準適合証明を受けている機器に限り無免許での運用が許されるよう規定してあるからである。送信機は、無線設備の中心をなすと同時に、もし不良な装置が使用され質の悪い電波が発射されれば、世界中の通信を妨害することになるので、定期または必要に応じて総務省の担当部署の検査機関の検査が行われる。[石島 巖]

光送信機

1980年代から小規模な光通信がコンピュータ用のLAN(ラン)として使用され始め、2000年ごろにはインターネットをはじめ、あらゆる通信の媒体として使用されるようになった。光通信は、超高速大容量の通信が可能、相互に干渉しない、秘匿(ひとく)性が高い、運用コストが安いなどの特徴があり、従来のマイクロ波通信システムを超えて急速に発達している。光通信がとくに魅力的である最大の理由は、通信網の建設にあたって、許認可がいっさい不要なことである。これは、電波法が3000ギガヘルツ以下の周波数の電磁波について技術面、運用面のあり方を規制する法律であって、光の領域におけるあり方について規制するものではないからである。この領域では送信機において、電波に用いられるすべての変調方式が実現できるほか、それ以外の自由な発想による変調を行うこともできる。光通信はグラスファイバー(ガラス繊維)製の光ケーブル(赤外線の波長1.31~1.55マイクロメートル)を媒体とする有線通信であり、国際間海底ケーブルをはじめとして、各家庭の通信端末(電話やCATVなど)も光ケーブルで接続されている。一方、光無線通信は、赤外光(波長780ナノメートル)および可視光(波長380~780ナノメートル)の光線を用いて通信するものであるが、通過空間の降雨や霧などによって阻害される場合が多いので、室内のような近距離通信以外には実用性が少ない。
 いずれの送信機も、送信しようとするアナログまたはデジタル信号である電気信号を光の強弱に変換する発光装置そのものであって、各種のLED(発光素子、発光ダイオード)や半導体レーザーが使用されている。光の数次の高調波発生のために優れた非線形光学係数(電気信号にレーザー発振に必要なひずみを与える性質)をもつ結晶としてKDP(リン酸二水素カリウムpotassium dihydrogen phosphate、化学式KH2PO4。略称はカリウムpotassium部分にドイツ語のKaliumを用いる)があり、超高速の光変調器はこの素子の研究の産物として実現したものである。[石島 巖]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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