一般に高い周波数の波動を総称していう場合と、特定の周波数の電波をさす場合とがある。前者の例として音波では可聴周波数(20~2万ヘルツ)より高い周波数をいう場合が多く超音波(ultrasound、ultrasonic)ともよばれる。後者は3メガ~30メガヘルツの範囲の電波をさす。
電流が高周波になる(高周波電流)と、絶縁された導体間でも流れるようになる。これは、絶縁体を二つの導体が挟む構造がコンデンサーを構成し、それのもつキャパシタンス(静電容量)成分が電流の通り道になるからである。また、高周波電流が導体中を流れるときは表皮効果のため表面付近に集中するなど、直流電流とは異なるふるまいをする。高周波電流は波長が短いため、電気回路の寸法が波長と同程度になると、配線上に電流の強いところと弱いところができて複雑な現象を生ずる。電気機器の動作の妨げとなる場合も多いこの現象を積極的に利用して共振器やアンテナが構成されている。
高周波電流は、搬送電話・電信などの有線通信のほか、金属の焼入れ、木材の乾燥などのように工業の分野、また高周波療法のように医学の分野でも使われる。高周波電波は無線通信、放送などに使われる。
[布施 正・吉澤昌純]
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