模型飛行機(読み)もけいひこうき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「模型飛行機」の意味・わかりやすい解説

模型飛行機
もけいひこうき

人が乗ることのできない飛行機であって、おもに趣味スポーツとして工作飛行を楽しむものである。実物飛行機(人の乗れるもの)にできるだけ似せてつくることから、模型飛行機といわれているが、飛行する原理はまったく同じである。模型飛行機の歴史は古く、人間が空を飛ぶことを、夢でなく科学としてとらえたときに始まり、人間が空を飛べるようになるまでは、空飛ぶ機械、すなわち本物の飛行機であったことは間違いない。最近は、飛行機のほかにもグライダーヘリコプターなども含むようになったので、模型航空機といったほうが正しいが、一般には模型飛行機といわれている。

 模型飛行機は、その飛行を管理する方法により、次の三つの種類に分けられる。〔1〕フリーフライト型(機体が手から離れたら、人間の作用がまったく及ばないもの)、〔2〕コントロールライン型(おもに2本のワイヤで、昇降舵(だ)を操作して機体を操縦し、その索の長さを半径として、中心にいる操縦者の周りを周回して飛行するもの)、〔3〕ラジオコントロール型(通常は、地上にいる人間が無線機を操作し、実物飛行機とまったく同じように模型飛行機を操縦し、飛行させることができるもの)。

 模型飛行機は、その定義規格、安全性、飛行、競技、記録、技能など、世界共通の基準がFAI国際航空連盟)のCIAM(国際模型航空委員会)により、FAIスポーツ規定の第四編として定められており、加盟各国はそれに従わなければならないことになっている。日本は、日本模型航空連盟(JMA、1949年創立)から、この国際会議に日本代表委員を派遣している。

[渡辺敏久]

『木村秀政校閲、森照茂著『増補改訂 模型飛行機――理論と実際』(1979・電波実験社)』『摺本好作著『模型飛行機』(保育社・カラーブックス)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「模型飛行機」の意味・わかりやすい解説

模型飛行機
もけいひこうき

飛行機の小型模型。実物に似せてつくることを目的とした飛ばない形態模型と,飛行を目的とした動力付きないし無動力の模型がある。後者は近年,競技としても行われ,フリーフライト,コントロールライン,ラジオコントロールなどの種目がある。 (1) フリーフライト グライダー,ゴム動力機,エンジン機を飛ばし,滞空時間の長さを競う。競技者の手を放れてから一切の飛行は,機自体の安定性,風・上昇気流などに左右される。 (2) コントロールライン 1~3本 (通常は2本) の操縦索 (コントロールライン) でつながれたエンジン機を,地上の競技者がハンドルで操作し,スピード,滑空した空中図形の正確さ・美しさ,2~3機による追抜き,機の後尾につけた紙テープの切り合い,などを競う。 (3) ラジオコントロール 地上の競技者が,エンジン機,グライダーなどを無線で操作し,その技術を競う。エンジン機では空中図形の正確さ・美しさ,標柱のまわりを飛行しながらの追抜きなどが,グライダーでは滞空時間・距離・スピードの総合点が競われる。

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百科事典マイペディア 「模型飛行機」の意味・わかりやすい解説

模型飛行機【もけいひこうき】

飛行機の小型模型。実物の型を正確に作る(ソリッドモデル)ものと飛行を目的としたものがある。前者はプラスチック製が多い。後者はゴムまたはエンジンによりプロペラを回転して空中を飛行させる。混合油を使用した1馬力程度のエンジンで翼長2m前後のものも作られ,無線操縦で運転される。→プラスチックモデル鉄道模型

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