逃れる(読み)ノガレル

デジタル大辞泉 「逃れる」の意味・読み・例文・類語

のが・れる【逃れる/×遁れる】

[動ラ下一][文]のが・る[ラ下二]
危険や不快を避けて遠くに身を置く。「俗世を―・れる」「難を―・れる」
自分にとって好ましくない状態になるのを回避する。「責任を―・れる」「罪を―・れる」
逃げる[用法]
[類語]逃げる免れる逃げ出す逃げ去る逃げ込む逃げ回る逃げ迷う逃げ惑う逃げ延びる落ち延びる逃げ切るずらかる後ろを見せる逃走遁走逃亡逃避亡命

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「逃れる」の意味・読み・例文・類語

のが・れる【逃・遁】

  1. 〘 自動詞 ラ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]のが・る 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙
  2. つかまらないように逃げる。
    1. [初出の実例]「会明(あけほの)に高麗膳臣等に遁(ノカレ)たりと謂ふ。軍を悉にて来追ふ」(出典日本書紀(720)雄略八年二月(前田本訓))
  3. 離れ遠ざかる。触れないように離れた位置に身を置く。しなくてすむようにする。
    1. [初出の実例]「大殿も、かやうの御遊びに、心とどめ給ひて、忙しき御まつりごとどもをば、のがれ給ふなりけり」(出典:源氏物語(1001‐14頃)乙女)
  4. ある状態にならなくてすむ。まぬがれる。
    1. [初出の実例]「人の弟たることを貴ぶる所は兄に奉(つかへまつ)りて、難(わさわい)を逃(ノカレ)むことを謀り」(出典:日本書紀(720)顕宗即位前(熱田本訓))
  5. 言いのがれる。辞退する。
    1. [初出の実例]「切に、せめたまはするに、のかれがたくて、立ちて、のどかに袖かへす所を」(出典:源氏物語(1001‐14頃)花宴)
  6. 関係を断つ。無関係である。
    1. [初出の実例]「して見りゃアこなさんもあんまり又助と遁(ノガ)れた仲ぢゃアねえ」(出典:歌舞伎・勝相撲浮名花触(1810)序幕)

逃れるの語誌

古代語では「難をのがる/まぬかる」など、「のがる」と「まぬかる」は意味・用法上通うところがあるが、「まぬかる」は漢文訓読調の文章にのみ用いられたのに対し、「のがる」は文体に関わりなく用いられる日常語であった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android