透通る（読み）スキトオル

デジタル大辞泉

すき‐とお・る〔‐とほる〕【透（き）通る／透き^▽徹る】

［動ラ五（四）］
１ 物を通して、中や向こう側が見える。「湖の底まで―・っている」
２ 声や音が澄んでいてよく聞こえる。「美しく響く―・った声」
[類語]透ける・澄む・透かす・透明・半透明・透け透け・澄みきる・冴える・冴え渡る・冴え返る・澄み渡る・澄ます・清澄・透徹

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

すき‐とお・る‥とほる【透通・透徹】

1. 〘 自動詞 ラ行五（四） 〙
2. ① 透いて見える。表面にあるものや、さえぎっているものを通して、内部や向こう側が見える。
   1. [初出の実例]「童の乗るべき車は、すきとをりて、隠れなくあるべきよし」(出典：狭衣物語（1069‐77頃か）三)
3. ② 視界をさえぎるものがなくなる。
   1. [初出の実例]「国の内透徹りて〈略〉彼の国の軍一人に可当きに非ず」(出典：今昔物語集（1120頃か）一〇)
4. ③ 澄んで透明である。色が澄みきって輝いて見える。
   1. [初出の実例]「御塔の有様を見れば〈略〉飾り磨きすきとほり耀けるほど、その時に会へる心地す」(出典：栄花物語（1028‐92頃）駒競の行幸)
5. ④ 声がよく通る。声が澄んでいる。
   1. [初出の実例]「おつぎの透(スキ)通る声が呼びかけたけれど」(出典：大阪の宿（1925‐26）〈水上滝太郎〉六)
6. ⑤ 物の間を通り抜ける。

出典　精選版 日本国語大辞典