デジタル大辞泉
「透かす」の意味・読み・例文・類語
すか・す【透かす】
[動サ五(四)]
1 物と物との間隔を少しあける。すきまをつくる。「板を―・して作った縁台」
2 こんでいるものを間引いてまばらにする。間隔を粗くする。「剪定して枝を―・す」
3 あけておく。時間をあける。「手を―・す」
4 タイミングをはずして、肩すかしをくわせる。「でばなを―・される」
5 間から通るようにする。物を通して見えるようにする。「ガラスを―・して見る」
6 透けて見えるようにする。「模様を―・した紙」
7 音を立てないで屁をする。「こっそり―・す」
8 減らす。
「京中の勢をばさのみ―・すまじかりしものを」〈太平記・九〉
9 場をはずす。
「足もとの明かい時、はやう―・さう」〈虎明狂・痩松〉
10 油断する。
「万事に一つも―・さぬ人の言へり」〈浮・織留・五〉
[可能]すかせる
[類語]透ける・透き通る・透明・半透明・透け透け
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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すか・す【透・空】
- 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 ( 「すく」の他動詞 )
- [ 一 ] 空間、空白ができるようにする。
- ① すきまを作る。穴をあける。
- [初出の実例]「太刀をぬいてたたかふに、かたきは大勢なり〈略〉八方すかさずきたりけり」(出典:平家物語(13C前)四)
- 「鶴といふ字を鏤(スカ)したる竹簾かけたるは」(出典:洒落本・仕懸文庫(1791)三)
- ② 一部分を取り除いて間を粗くする。まばらにする。
- [初出の実例]「五節の局を、日も暮れぬほどに皆こぼちすかして、ただあやしうてあらする」(出典:枕草子(10C終)九〇)
- 「やぶをすかしてのちよめる わが宿の竹の林をうちこして吹き来る風の音のきよさよ」(出典:良寛歌(日本古典全書所収)(1835頃))
- ③ 数量をへらす。また、「腹をすかす」の形で空腹になる意にいう。
- [初出の実例]「京中の勢をばさのみすかすまじかりし物をと」(出典:太平記(14C後)九)
- 「十分おなかをすかしてゐるにちがひない母に」(出典:苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉一)
- ④ (刀を)少し抜く。
- [初出の実例]「太刀の鍔元二三寸すかし、足早にあゆみよりけるが」(出典:曾我物語(南北朝頃)九)
- ⑤ その場をはずす。去る。
- [初出の実例]「あしもとのあかひ時、はやうすかさう」(出典:虎明本狂言・痩松(室町末‐近世初))
- ⑥ 間をおく。時間をあける。→すかさず。
- [初出の実例]「小三郎は一心に〈略〉正八幡に立願祈誓、そこを透(スカ)すな生捕と、組付く家来多勢を」(出典:浄瑠璃・仮名写安土問答(1780)初)
- ⑦ 気持にすきまをつくる。油断する。手ぬかりをする。
- [初出の実例]「命も身体も宿に居ながら祈れと万事にひとつもすかさぬ人のいへり」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)五)
- ⑧ 取引所での売買の建玉の数をへらす。
- [ 二 ] すきまを通す。
- ① すきまから通るようにする。すきまを通して見えるようにする。また、ものを通して見えるようにする。
- [初出の実例]「やい軸に色どりなして、うすものにすかし給へりける」(出典:落窪物語(10C後)三)
- 「トヲ アケテ カゼヲ sucasu(スカス)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
- 「彼は暗を透してそこに何ものかを見出し」(出典:逆徒(1913)〈平出修〉)
- ② 身をかわす。やりすごす。あてがはずれるようにする。
- [初出の実例]「撞懸てすかして置て投の勝 噯きかすにいかなるか末」(出典:俳諧・西鶴大矢数(1681)第二一)
- ③ 音をたてずに放屁する。
- [初出の実例]「尻をまくりあげて〈略〉音なしに二つ迄すかしければ」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)湊)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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