通貨ブロック(読み)つうかブロック(英語表記)currency block

  • currency bloc

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

域内貿易を促進し,域内通貨の相互安定をはかるため,決済通貨を同一のものとする地域をいう。通貨ブロックには1国内で複数の通貨ブロックが存在する場合と,複数の国家で1つの通貨ブロックを形成する場合とがある。前者の代表は,江戸時代の日本であり,江戸を中心とする金ブロック大坂を中心とする銀ブロックとがあった。後者の例としては,第2次世界大戦前のイギリス連邦スターリング・ブロック,アメリカとラテンアメリカ諸国によるドル・ブロック,北アフリカから地中海にわたるフラン・ブロックがあった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

通貨価値の基準を一つの強大国通貨に求めて為替(かわせ)相場の安定を図るとともに、政治的、経済的な相互依存関係を基盤として利害を同じくする国々がグループ化して形成した地域をさす。金本位制時代にはなかったが、同制度の崩壊後、1930年代の大不況と通貨不安を背景に金ブロック、ポンド・ブロック、ドル・ブロックなどが誕生した。金ブロックは、豊富な金準備をもつフランスを中心にベルギー、オランダなど六か国により金本位を維持することをうたって形成されたが、諸外国の平価切下げとそれに伴う対外貿易の不振によって1935年から36年にかけて崩壊した。

 ポンド・ブロック(スターリング地域)は、1932年のオタワ協定によってイギリス連邦諸国を中心に形成され、第二次世界大戦中は一時強化された。しかし戦後はイギリス経済の地盤低下とともに離脱する国が増え、現在ではほとんどその形をとどめていない。

 ドル・ブロック(ドル地域)は、アメリカを中心にドルにリンクした北米および中南米諸国が含まれていたが、その範囲はポンド・ブロックほど明確ではなかった。

 なお、1930年代のなかばからナチス・ドイツは広域経済を主張して中部ヨーロッパおよび南東ヨーロッパ諸国を巻き込み、日本は中国および東南アジアに円ブロックを形成していったが、いずれも敗戦とともに崩壊した。

[土屋六郎]

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