遊僧(読み)ユウソウ

デジタル大辞泉 「遊僧」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐そう〔イウ‐〕【遊僧】

延年舞などの遊芸をする僧。
「もとより弁慶は、三塔の―」〈謡・安宅

ゆ‐そう【遊僧】

ゆうそう(遊僧)

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精選版 日本国語大辞典 「遊僧」の意味・読み・例文・類語

ゆう‐そうイウ‥【遊僧】

  1. 〘 名詞 〙 延年舞などの遊芸をする僧。
    1. [初出の実例]「もとより辨慶は、三塔の遊僧、舞延年の時のわか、これなる山水の、落ちて巖に響くこそ」(出典:謡曲・安宅(1516頃))

ゆ‐そう【遊僧】

  1. 〘 名詞 〙ゆうそう(遊僧)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「遊僧」の意味・わかりやすい解説

遊僧
ゆそう

延年(えんねん)に際して演芸する芸能僧で、狂僧(きょうそう)ともいう。「遊(あそぶ)」はもと鎮魂歌舞を意味することばだが、狂は日常的な生活態度に対して異常なる行動で、仏事の正行(しょうぎょう)に対しては非正行なる仏事付帯の演芸行為をさしたものである。延年は遐齢(かれい)延年に由来するといわれ、芸能によって心を和め寿福増長を図るとする考えに基づき、平安末期から中世なかばまで南都北嶺(ほくれい)の諸大寺において法会(ほうえ)の後宴として行われた芸能大会であった。内容は舞楽(ぶがく)仕立てであったが、能もあり、また連事(つらね)、大風流(おおふりゅう)、小風流(こふりゅう)などのように演劇も行われた。弁慶は比叡山(ひえいざん)の遊僧であった。

[西角井正大]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「遊僧」の意味・わかりやすい解説

遊僧
ゆそう

遊芸にすぐれた僧侶。平安時代初期から室町時代初期にかけて寺院芸能である延年が盛んに行われたが,このとき芸能に長じた僧侶が中心となって舞や歌を演じ,これを遊僧とも狂僧ともいった。

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普及版 字通 「遊僧」の読み・字形・画数・意味

【遊僧】ゆうそう

雲水僧。

字通「遊」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の遊僧の言及

【延年】より

…素材的にも能と初期の延年風流とは相重なるものがほとんどなく,成立の比較的新しいと思われる《多武峰延年詞章》中のいくつかが能の素材と重なる程度である。
[遊僧と延年]
 延年は寺僧によって演ぜられることを本則とするもので,鎌倉初期の児や大衆はもちろん,風流や連事という劇形態の延年芸も寺僧によって作られ,演ぜられたのである。だが,そこには専門の芸能者の関与もあったことは注目すべきであろう。…

※「遊僧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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