中国、清(しん)朝第8代の皇帝(在位1820~50)。名は旻寧(びんねい)。諡(おくりな)は成帝。廟号(びょうごう)は宣宗。年号によって道光帝とよばれる。嘉慶(かけい)帝の第2子で、生母は喜塔臘(ヒタラ)氏。1813年の天理教徒の紫禁城侵入を破り智順王になった。即位ののち、鉱山開発の奨励など、窮乏した財政の立て直しに努力したが、積年の経済窮乏とイギリスとのアヘン貿易により26年に広東(カントン)貿易が入超となり、中国から銀が流出し始めたため、日常通用の銅銭との比価が高騰し、税の銀納を義務づけられていた農民はますます困窮し、国庫収入にも影響を与えた。清朝はアヘン貿易を禁止したが、イギリス政府、商人、地方貿易商らは自由貿易とアヘンの公認を求め、禁止令は実効がなかった。39年に林則徐(りんそくじょ)がアヘン没収を行ったことから40年にアヘン戦争が勃発(ぼっぱつ)、イギリス海軍が中国各地を占領した。この結果、42年南京(ナンキン)条約が批准されて清朝は開国するに至ったが、これが中国の植民地化の第一歩となった。また、社会不安の増大は、道光末年からの太平天国軍の蜂起(ほうき)を引き起こした。
[細谷良夫]
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1782~1850(在位1820~50)
清の第8代皇帝。廟号は宣宗。嘉慶(かけい)帝の第2子。アヘン戦争でイギリスに敗れ,1842年南京条約を結んだ。ついでアメリカ,フランスとも同様な条約を結び,開国を余儀なくされた。
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