道登(読み)どうとう

改訂新版 世界大百科事典 「道登」の意味・わかりやすい解説

道登 (どうとう)

飛鳥時代の僧侶生没年不詳。山尻(背)恵満(やましろのえまろ)の家から出たといい,645年(大化1)僧侶の統制に当たる十師の一員に任ぜられた。高句麗に留学した経験を持ち,元興寺(飛鳥寺)に住したとみられる。宇治橋碑によると,646年,人畜をすくうため,山背の宇治橋を架けたという。ただ同碑の造立年代には異説もあり,《続日本紀》に宇治橋は道昭の造立としていることもあって,問題が残る。650年に白雉が貢上されたのを道登が祥瑞であると説き,白雉と改元された。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 東野

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「道登」の解説

道登 どうとう

?-? 飛鳥(あすか)時代の僧。
山背(やましろ)(京都府)の恵満の家の出という。高句麗(こうくり)(朝鮮)に留学し(一説に唐(とう)(中国)でまなんだとも),のち奈良元興寺にはいる。大化(たいか)元年(645)僧旻(みん)らと十師に任じられる。2年山背に宇治橋をかける。6年長門(ながと)(山口県)の国司が献上した白い雉(きじ)を祥瑞(しょうずい)と上奏,年号が白雉(はくち)にあらためられた。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の道登の言及

【宇治橋碑】より

…銘文は四周と行間に界線を引き,3行にわたって陰刻されている。文章は四字句を24句連ねた整ったもので,宇治川の流れの速さと渡河の不便さを述べたのち,山尻(背)恵満(やましろのえまろ)の家からでた僧道登が,646年(大化2)に架橋し,人畜をすくったことを記す。その表現の一部は,《詩経》の字句をふまえている。…

※「道登」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

一度利用した製品を捨てずにそのまま再使用すること。ごみの削減に重要だとされる「3R」の一つで、衣類・服飾品や家電などさまざまな品目が取り扱われている。リユース商品の専門店やイベント、フリーマーケット...

リユースの用語解説を読む