(読み)イ

デジタル大辞泉 「違」の意味・読み・例文・類語

い【違】[漢字項目]

常用漢字] [音](ヰ)(呉)(漢) [訓]ちがう ちがえる たがう
食いちがう。「違和差違相違
その通りに従わない。そむく。「違憲違背違反違法非違

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精選版 日本国語大辞典 「違」の意味・読み・例文・類語

たがえたがへ【違】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 動詞「たがえる(違)」の連用形名詞化 ) たがえること。ちがい。
    1. [初出の実例]「ぬひたかへの人のげになほさめ」(出典:能因本枕(10C終)一〇〇)
  3. かたたがえ(方違)」の略。
    1. [初出の実例]「方ふたがりたれば、みな人々つづきて、たかへに去ぬ」(出典:平中物語(965頃)三八)
  4. たがいなわ(違縄)
    1. [初出の実例]「艣 〈略〉たかゑしめたる所にかけんあり」(出典:今西氏家舶縄墨私記(1813)坤)

たがいたがひ【違】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「たがう(違)」の連用形の名詞化 )
  2. たがうこと。ちがい。相違。差異
    1. [初出の実例]「かの本意の聖心はさすがにたがひやしにけむ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)宿木)
    2. 「その(タガヒ)明白ならん」(出典談義本・風流志道軒伝(1763)四)
  3. たがいなわ(違縄)日葡辞書(1603‐04)〕

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普及版 字通 「違」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

(旧字)
13画

[字音] イ(ヰ)
[字訓] めぐる・たがう

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(い)。〔説文〕二下に「離るるなり」とあって、離去の意とする。字条五下に「相ひ背(そむ)くなり」とする訓を承けるものであるが、は囗(い)(城郭)の上下に左行・右行する足(止)を加えたもので、めぐる意。を加えてその行為をいう。

[訓義]
1. めぐる。
2. 上下に異なる方向にめぐるので、たがう意となる。そむく、もとる、ことなる。
3. 相違い離れることから、さる、はなれる。
4. よこしま、あやまち。
5. 依違のような連語となって、たもとおる、うろうろする。

[古辞書の訓]
名義抄 メグル・タガフ・ワカル・ハナル・ソムク・ウラム・サル・ユルス・カナフ

[語系]
(緯)hiuiは同声。よこに編むように動く意がある。回hui、(運)hiun、衛hiuatも同系の語。

[熟語]
違異違依違意違怨違遠・違科違棄・違逆・違言違忤違牾違錯・違弐違失・違心・違制違舛・違程・違背・違反違犯・違非・違・違法・違命違約違離違戻・違例・違和・違惑
[下接語]
依違・猗違・乖違・頑違・逆違・差違・縄違・相違・背違・駮違・非違

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