例えば,源泉徴収または予定納税されていた所得税額や,中間申告によって納められていた法人税額が,確定申告額を超えている場合(所得税法138条1項,139条1項,法人税法80条)や,外国税額控除制度により控除しうる税額が確定申告額を超えている場合(所得税法138条1項,法人税法79条1項),また,純損失,欠損金の繰戻しの場合(所得税法140条,法人税法81条),災害等による租税の減免がなされる場合(〈災害被害者に対する租税の減免,徴収猶予等に関する法律〉)等のように,適法な納付または徴収後に,過大な納税となる事態が事後に生じ,国・地方公共団体がその納税額を保有する正当な理由がなくなったため,納税者に返還されるべき税額に相当する金額をいう。国・地方公共団体の一種の不当利得である。還付加算金とは,〈還付金または過誤納金〉(還付金等という)が還付または充当(還付請求権者の納付すべき租税に還付金等を充てること)される場合に,国・地方公共団体が還付金等を保有していた日数に応じその額に年7.3%を乗じた金額であり,還付金等に加算して還付される(国税通則法58条1項,地方税法17条の4)。
執筆者:木村 弘之亮
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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