都鄙(読み)トヒ

精選版 日本国語大辞典 「都鄙」の意味・読み・例文・類語

と‐ひ【都鄙】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 都会と田舎。また、それぞれに住む人やその風俗。または、国中。国。
    1. [初出の実例]「読瑜伽唯識論即了其意。既而周遊都鄙化衆生」(出典続日本紀‐天平勝宝元年(749)二月丁酉)
    2. 「都鄙の老少みな蓬戸瑕瑾ををしみ」(出典:平家物語(13C前)四)
    3. [その他の文献]〔周礼‐天官・大宰〕
  3. 特に京都鎌倉をさしていう。
    1. [初出の実例]「たたあはれむ遙都鄙の中路に出て前後の念に労する事を」(出典:海道記(1223頃)鈴鹿より市腋)

みやこ‐ひな【都鄙・朝野・華夷】

  1. 〘 名詞 〙 朝廷民間。すなわち、その国全部。また、そこに住む人を含めていう。
    1. [初出の実例]「天下に臨み照したまひ、華夷(ミヤコヒナ)(よろこ)び仰ぎしは天皇の身(みみ)也」(出典:日本書紀(720)顕宗二年八月(図書寮本訓))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「都鄙」の読み・字形・画数・意味

【都鄙】とひ

まちといなか。〔左伝、襄三十年〕子鄙をしてり、上下り、田に封洫(ほうきよく)(境界、溝)り、廬井(ろせい)(井田)に伍らしむ。

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