酢豆腐(読み)スドウフ

デジタル大辞泉の解説

す‐どうふ【酢豆腐】

《知ったかぶりの若旦那が、腐って酸っぱくなった豆腐を食べさせられ、酢豆腐だと答える落語から》知ったかぶり。半可通。

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デジタル大辞泉プラスの解説

酢豆腐

古典落語の演目のひとつ。「あくぬけ」「石けん」とも。大阪では「ちりとてちん」と題する。八代目桂文楽が得意とした。オチは考えオチ。主な登場人物は、若旦那。

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世界大百科事典 第2版の解説

すどうふ【酢豆腐】

落語。原話は《軽口太平楽》(1753)にある古い江戸落語。暑い季節にみんなで酒を飲もうとしたが,あいにく肴(さかな)がない。昨夜の豆腐をどうしたと聞くと,与太郎が釜に入れて蓋をしていたのでドロドロに腐っていた。そこへきざで半可通の若旦那が来たので,めずらしい食べ物で食べかたがわからないと持ちかけて食べさせる。若旦那は〈これは酢豆腐ですな〉などといって口へ運ぶが,ひとくち入れて大苦しみ。なおもすすめられると,苦しまぎれに〈酢豆腐はひとくちにかぎる〉。

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大辞林 第三版の解説

すどうふ【酢豆腐】

〔知ったかぶりをする人が腐った豆腐を食べて、これは酢豆腐という料理だと負け惜しみを言った落語から〕
知ったかぶりをする人。半可通。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

酢豆腐
すどうふ

落語。江戸時代から口演されてきた古い江戸落語。原話は1753年(宝暦3)の噺本(はなしぼん)『軽口太平楽(かるくちたいへいらく)』にある小咄(こばなし)「酢豆腐」。町内の若い衆が一杯やろうと集まる。酒はあるが肴(さかな)がない。昨夜買った豆腐があるが、暑気で腐って黄色になり、酸っぱくなっている。そこへ気取り屋の若旦那(わかだんな)が通りかかるので呼び込み、食通とおだてあげて、腐った豆腐を出す。若旦那は知ったかぶりをして一口食べ、苦しみながらも「これは酢豆腐といいます」という。おもしろがってさらに勧めると「いや、酢豆腐は一口に限りやす」。大正期、3代柳家小さんの弟子小はんが改作、それが大阪に移されて『ちりとてちん』と改題され、今日では東京でもこの題で演(や)る人もある。また、この作を焼き直して『あくぬけ』と改題した新作風のものもあり、3代三遊亭金馬は別のくふうを加え『石けん』と題したこともあった。この落語から、知ったかぶりする人を「酢豆腐」というようになった。[関山和夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

す‐どうふ【酢豆腐】

[1] 〘名〙
① なまの豆腐に酢をかけた料理。しったかぶりをする人が腐ってすっぱくなった豆腐を酢豆腐だといったという落語によるもので架空のもの。
咄本・軽口豊年遊(1754)三「これはわるいという。いやいや、わるゐのではなゐ。すどうふといふものでござる」
② (①から) しったかぶりでなまいきな人。きいたふう。半可通。
※安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二「きのふはぐっと大ひねり酢(ス)どうふで誘へるつれはこれぞといふに」
[2] 落語。きざできらわれ者の若旦那がくさった豆腐を知ったふりをして酢豆腐だというおかしさに取材。さげは拍子落ち。別題「ちりとてちん」。

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