精選版 日本国語大辞典 「野水」の意味・読み・例文・類語
や‐すい【野水】
の‐みず‥みづ【野水】
- 〘 名詞 〙 野にある水。野にある川。
- [初出の実例]「雉二つ野水をわけて鳴にけり」(出典:妻木(1904‐06)〈松瀬青々〉春)
江戸前期の俳人。本名は岡田幸胤(または行胤とも)。通称は佐次右衛門。別号は宜斎(茶道名),転幽(隠居名)。名古屋の生れ。家は代々目見(めみえ)町人の待遇を受ける旧家であった。呉服商を営み,俳諧ははじめ貞門派の横船,流水らに学んだ。1684年(貞享1)冬,《野ざらし紀行》の旅の途中の芭蕉を迎え,荷兮(かけい),杜国らとともに成した《冬の日》が高く評価され,芭蕉門下の有力俳人となった。その後,《春の日》(1686),《曠野(あらの)》(1689),《猿蓑(さるみの)》(1691)など,蕉門の代表的な選集に句が入集し,俳人としての地位を確かなものにした。しかし,家業や町の役職の多忙,あるいは茶道への熱心さから,しだいに俳諧を離れ,1694年(元禄7)に芭蕉が没してからは,俳諧から遠ざかってしまった。〈松明(たいまつ)に山吹うすし夜の色〉(《阿羅野》)。
執筆者:山下 一海
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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