金花糖(読み)キンカトウ

デジタル大辞泉 「金花糖」の意味・読み・例文・類語

きんか‐とう〔キンクワタウ〕【金花糖/金華糖】

白砂糖を水で溶いて練り、たい野菜などをかたどった木型に流し入れて固め、表面彩色した菓子。祝い事などに用いられる。有平糖をまねて作られたものとされる。

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精選版 日本国語大辞典 「金花糖」の意味・読み・例文・類語

きんか‐とうキンクヮタウ【金花糖・金華糖】

  1. 〘 名詞 〙 アルヘイ糖の一種。白砂糖を練って、型に入れて焼き、刷毛(はけ)などで彩色を施し、鯉、鮒(ふな)竹の子などの種々の形につくったもの。〔随筆守貞漫稿(1837‐53)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金花糖」の意味・わかりやすい解説

金花糖
きんかとう

砂糖菓子の一種。白砂糖を練り、鯛(たい)、鯉(こい)、松竹梅など有平糖(あるへいとう)の細工物をまねて、あわせ木型の彫りに流し、有平糖のものそっくりに筆や刷毛(はけ)で彩色した。内部は空洞であるが、大きなものは豪華にみえる。幕末上方(かみがた)でつくられ、嘉永(かえい)年間(1848~54)江戸にも普及したが、床見世(とこみせ)というにわか作りの板小屋での商い、または振売りの商う菓子であった。しかし庶民の式事の飾り物には、祝い鯛や野菜物を模した金花糖が使われている。明治期には「よかよか飴屋(あめや)」も金花糖を売り歩いたが、昭和初期の金花糖は駄菓子屋の王者であった。おもに当て物用で、1等賞品の大鯛で子供の射幸心をあおった。この砂糖菓子の親類生姜糖(しょうがとう)がある。

[沢 史生


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