仕立屋に雇われて衣服などを縫う女性を指す。お針子ともいう。日本では,近世に裁縫を〈お針〉とか〈針仕事〉と呼ぶようになり,江戸時代には大名などの衣服を仕立てる呉服所で,針妙(しんみよう)と呼ばれる裁縫をする女性が働いていた。裁縫技術は,江戸では家庭で身につけるのが一般的であったが,上方では縫物師のところや寺子屋でも習得した。明治になると,1872年(明治5)の学制制定以降,小学校や女学校,裁縫教育を中心とする女子教育機関で習ったり,仕立屋で身につけたりした。針子という呼名がいつごろから行われているかは不明であるが,明治後期には使われていた。洋服が導入され,ミシンが普及するとともに洋裁学校が開かれ,洋裁技術を身につけた女性が,洋服の仕立てを行うようになった。繊維・衣服産業の工業化された今日でも,個人経営の洋装店や呉服店などに針子の名が残っている。
西欧では,17世紀ころから英語でシームストレスseamstress,ニードルウーマンneedlewomanと呼ばれる,裁縫を職業とする女性が現れはじめた。初期には男子服の仕立屋(テーラー)に雇われていたが,女子服の仕立屋(ドレスメーカーなど)が現れると,徒弟に入り,技術を身につけながら働いた。一般に,ドレスやコート,シャツなどを縫うのがシームストレスで,ニードルウーマンは,刺繡(ししゆう)などの装飾部分を受け持つ女性を指していた。19世紀後半以降,ミシンの発明や繊維産業の発達で既製服がつくられるようになり,種類も多くなった。しかしドレスメーカー,テーラーの需要も多く,オート・クチュールの増加とともに専属の針子も増えている。
→仕立屋
執筆者:池田 孝江
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…孵化日数は約28日である。タイワンアヒルはバリケン(イラスト)とも呼ばれ南アメリカのノバリケンを家禽化したもので,アヒルとは別種である。体は大きく顔が赤く頭部に赤いこぶがある。…
… (1)キジ科 ニワトリ(セキショクヤケイなどをインドで約5000年前に馴化(じゆんか)),ウズラ(野生のウズラを日本で江戸時代に馴化),シチメンチョウ(ヤセイシチメンチョウを北アメリカで原住民が馴化し,16世紀にヨーロッパへ紹介),ホロホロチョウ(野生のホロホロチョウを西アフリカで馴化)。(2)ガンカモ科 アヒル(マガモを北半球の各地で馴化),ガチョウ(サカツラガンを中国で,ハイイロガンをエジプトで馴化,ヨーロッパで改良),バリケン(ノバリケンをペルーで馴化)。(3)ハト科 イエバト(カワラバトをシリア付近で馴化)。…
…15種がおり,日本ではホシハジロ(イラスト),オオホシハジロ,アカハジロ,キンクロハジロ,スズガモ(イラスト)など8種の記録がある。(6)バリケン類Cairinini樹上に上がる性質をもつことが特徴。オシドリ(イラスト)類,ナンキンオシ類,ノバリケン,ツメバガン,コブガモ類などが含まれている。…
※「針子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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