朝日日本歴史人物事典 「鈴木道彦」の解説
鈴木道彦
生年:宝暦7(1757)
江戸後期の俳人。名は由之。別名,三千彦,金令舎ほか。仙台の人。代々医者の家に生まれる。少年時代から俳諧に親しみ,加舎白雄が奥羽を行脚した際,門人となる。白雄没後,江戸に出て医を業とするかたわら,建部巣兆,夏目成美,井上士朗らと親交し,化政期江戸俳壇において最大の勢力を誇った。『むくてき』(1798)で与謝蕪村ら天明七名家を酷評する自信を見せたが,晩年はその勢力も衰え,白川芝山著の『高館俳軍記』(1818?)で論難された。主著は『道彦七部集』(1830)に収録。<参考文献>鈴木勝忠「鈴木道彦」(明治書院『俳句講座』3巻)
(加藤定彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報