才気煥発(読み)サイキカンパツ

デジタル大辞泉 「才気煥発」の意味・読み・例文・類語

さいき‐かんぱつ〔‐クワンパツ〕【才気×煥発】

[名・形動](スル)すぐれた才知の働きが盛んに現れること。また、そのさま。「才気煥発な人」
「―する少壮歌人」〈小林秀雄西行
[類語]利口利発怜悧れいり聡明そうめい発明慧敏けいびん明敏穎悟えいご利根賢明賢いさと鋭敏機敏俊敏鋭い目聡い賢しい過敏敏感炯眼けいがん慧敏英明英邁犀利さいりシャープ

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精選版 日本国語大辞典 「才気煥発」の意味・読み・例文・類語

さいき‐かんぱつ‥クヮンパツ【才気煥発】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 頭の働きがはやく、活発で目立つこと。才気が盛んに現われること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「上吊った彼の言説でも時には鈍厚な佐々には才気煥発(サイキクヮンパツ)に聞えた」(出典善心悪心(1916)〈里見弴〉)

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四字熟語を知る辞典 「才気煥発」の解説

才気煥発

才能が輝くこと。才能がひらめくように現れること。

[活用] ―な・―に・―だ。

[使用例] 新時代の人間は、口をきいてる間は才気煥発するが、黙ってる時の人間的な強さ豊かさという点では、旧型の教養けた人々にはるかに及ばない[石坂洋次郎*若い人|1933~37]

[使用例] 世間はまだ、職業せんにとらわれていた。芳子があるとき、西洋映画の何かの科白せりふぺらぺらと云ってみせるのは、才気煥発にその場の話に合せた、しゃれたことらしい[佐多稲子*時に佇つ|1975]

[使用例] 母は祖母とは性格が異なり、おとなしく、才気煥発とは言い難く、特に子どものころは身体も弱かった[青木奈緖*幸田家のことば|2017]

[解説] 人の優れた才能を表現する場合に、「才気○○」と形容することがあります。「才気豊か」「才気あふれる」と和語を使う以外に、「才気おういつ(=あふれる)」「才気縦横(=思うままに発揮する)」と四字熟語にすることもあります。
 なかでも熟した言い方として「才気煥発」があります。「煥」は光り輝く様子。「煥発」は光が四方に散る様子を言います。「才気煥発」全体で「才能が光り輝く」ということです。
 これは日本語の成語で、二〇世紀になって例が現れています。中国語では「才華おういつ」などと言います。
 ところで、戦前の言い方に「煥発」ならぬ「渙発」があります。「天皇詔書が渙発される(=出される)」などと使います。こちらは「さんずい」です。一度出た汗が元に戻らないのと同じく、撤回余地なく公表することを言います。
 「煥発」「渙発」の両方あることに気づかず、パソコンで誤変換している例にしばしば接します。活字で「才気喚発」と誤る例も、昔はよくありました。

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