精選版 日本国語大辞典 の解説
ちょうじゃ【長者】 の 万灯(まんとう)より=貧者(ひんじゃ)[=貧女(ひんじょ・ひんにょ)]の一灯(いっとう)
(「阿闍世王授決経」「賢愚経」から) たとえわずかでも、貧しい人の真心のこもった寄進は、金持の寄進よりもまさっていることをいう。物の多少より誠意が大切だというたとえ。長者の千灯より貧女の一灯。長者の万貫貧者の一文。
※平仮名古活字三巻本宝物集(1179頃)「あるひん女、れうそく二銭もちたるを、あぶらにかへてあかしければ、のこりの火みなきえて、これのみ仏の御ために明なり〈略〉是を長者の万とうよりひん女が一とうとは申也」
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