閑話休題(読み)カンワキュウダイ

デジタル大辞泉 「閑話休題」の意味・読み・例文・類語

かんわ‐きゅうだい〔‐キウダイ〕【閑話休題】

文章で、余談をやめて、話を本題に戻すときに、接続詞的に用いる語。それはさておき。あだしごとはさておき。

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精選版 日本国語大辞典 「閑話休題」の意味・読み・例文・類語

かんわ‐きゅうだい‥キウダイ【閑話休題】

  1. [ 1 ] 本筋からはずれて語られていた話やむだ話をやめにすること。
    1. [初出の実例]「荒増(あらまし)世界の定るうちは、閑話休題(カンワキウダイ)として」(出典滑稽本八笑人(1820‐49)四)
    2. [その他の文献]〔水滸伝‐第一〇回〕
  2. [ 2 ] 〘 接続詞 〙 ( 話を本筋にもどすときに用いて ) それはさておき。あだしごとはさておき。さて。
    1. [初出の実例]「閑話休題、哀公は表章を御覧(みと)りて」(出典:鳥語伝(1902)〈幸徳秋水〉)

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四字熟語を知る辞典 「閑話休題」の解説

閑話休題

本筋からそれて語られていた話やむだ話をやめにすること。また、話をもとに戻すときに用いて、さて、それはさておき、などの意を表す。

[使用例] もともと詩作と田作はべつべつで、あんな奴らのいうことに迷わされてはいけないよ。……閑話休題、さぞ、笛ふき君、この暑いのにつらいだろう[宇野浩二*苦の世界|1918~21]

[使用例] 日本なら、さしずめ、『谷崎よ』というところであろうか。閑話休題。ヴィクトル・ユーゴーが嘗て同僚に向って次のように語ったことがある[河盛好蔵*フランス文壇史|1954~56]

[使用例] 閑話休題。せっかく母が手作りしてくれたフンドシであるから、その夜、私はそれを身につけてみた[北杜夫*月と10セント|1971]

[解説] 人には、テーマに沿った話を好む人と、脱線を好む人とがあります。両者が同席すると厄介です。人と会話をするときは、適度に一貫性を保ちつつ、脇道の話も楽しむのが理想でしょう。
 脇道の話が長くなると、「まあ、それはともかく」と、雑談を打ち切ることがあります。これが「閑話休題」です。
 雑談そのものを「閑話休題」だと思っている人もいますが、違います。「閑話」は暇な話。そして「休題」は「うことをめよ」と読みます。「暇な話を言うことをやめよ」という意味です。
 漢和辞典でも、「題」に「言う」の意味が書いていないことがあるので、「休題」が誤解されるのもしかたありません。「題」は「提」と同じで、話題を提供する、提出する、という意味があります。
 昔の本では、「閑話休題それはさておき」とルビを振ることがよくありました。こう書かれていれば、これから本題に戻ろう、という宣言であることがよくわかります。

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